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【一筆多論】シックスアイズ目指せ 岡部伸

英ノースヨークシャーを訪問したジョンソン首相=7月30日(ロイター)
英ノースヨークシャーを訪問したジョンソン首相=7月30日(ロイター)

 「すでに日本を招待している。日本が決断すれば、正式に入れる」

 昨年4月まで駐在したロンドン時代に知遇を得た英秘密情報部(SIS、通称MI6)の関係者は、電話でこう言い切った。

 米、英、加、豪、ニュージーランドという英語圏5カ国の機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」に日本の参加を促す発言だ。

 2016年6月、国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国は「グローバル・ブリテン」構想として、成長著しいアジア回帰を目標に掲げ、日本をアジアで「最も重要なパートナー」と位置付けた。

 英語を共有する太い紐帯(ちゅうたい)で結びつく戦勝国のアングロサクソン同盟に、英国が先の大戦での敗戦国、日本を招く背景には、日英関係の急進展がある。海洋安保や自由貿易などで連携強化し、かつての日英同盟に匹敵する緊密な関係を築き始めているのだ。

 「ファイブアイズ」は真珠湾攻撃の10カ月前の1941年2月、米情報士官がブレッチリーパーク(英政府暗号学校)を訪ね、暗号解読協力という特別な関係を始めたのが発端だ。

 ドイツの暗号エニグマと日本の外務、陸海軍全ての電報を解読し、英連邦の中核ドミニオン(自治領)と情報共有を開始した。

 戦後、5カ国は情報保護を担保するため、英米両国の頭文字を付けた「UKUSA協定」を結び、旧ソ連などを対象に世界中に展開する通信傍受網エシュロンで得た情報を分析、共有してきた。近年、日本との連携協力が進んでいる。

 リエゾンと呼ばれる連絡要員を派遣し情報交換を重ね、独仏と日本は2018年、サイバー攻撃に対処する枠組みに加わった。日本は米空軍宇宙コマンド主催の多国間机上演習にも初参加した。19年には日米英3カ国が、北朝鮮籍船舶の海上で積み荷を移し替える瀬取りを摘発している。

 新型コロナウイルスの感染拡大と香港での統制強化を受け、中国への対決姿勢を強める5カ国は、レアアース(希土類)や医薬品なども相互取引する戦略的経済連携を目指している。

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