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【論壇時評】9月号 敵は全体主義を目指す中国共産党 論説委員・岡部伸

米豪外務・防衛閣僚協議後に共同記者会見するポンペオ米国務長官(右から2人目)ら=7月28日、米ワシントン(ロイター)
米豪外務・防衛閣僚協議後に共同記者会見するポンペオ米国務長官(右から2人目)ら=7月28日、米ワシントン(ロイター)

 戦後75年を迎えた今年ほど、中国の特異性を認識したことはなかった。新型コロナウイルス感染拡大は、早く情報開示すれば危機を抑制できたかもしれない。「自国の感染が収まった」と全体主義の優位を喧伝(けんでん)し、沖縄県の尖閣諸島はじめ南シナ海やインド国境などで「一方的な現状変更」を試み、香港で統制強化の「国家安全維持法」適用を強行する暴挙を繰り返す。中国といかに向き合うべきか。

 京都大学名誉教授の中西輝政は、『Voice』で、日本が取り組む課題は、「隣国・中国のいわゆる『暴走』と、未曽有(みぞう)の激しさを帯(お)びた米中両大国の対立」と指摘する。米国の対中戦略に多くの国が賛同し始めているとし、「今後の対中国際世論はアメリカのスタンスに寄り添う流れで動いていく」と予測する。

 「私が今、最も懸念しているのが、『中国』を巡る問題」。河野太郎防衛相は『文芸春秋』で嘆息した。

 武器を搭載した中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵入が続き、6月には中国海軍と推定される潜水艦が奄美大島沖接続水域を西進した。南シナ海では4月、フィリピン軍艦艇が中国側からレーダー照射されたほか、中国公船と衝突したベトナム漁船が沈没。さらに中国は新行政区設置を発表。6月にはブータン東部の領有権を新たに主張し反発を招いた。

 河野は「中国による『一方的な現状変更の試み』が、あちこちで行われている」と訴え、「こうした暴挙を放置してはなりません」と警告する。

 「全体主義を目指す政権の危険性が明らかになった」と『中央公論』で指摘するのは米スタンフォード大学シニアフェローのフランシス・フクヤマだ。習近平体制は「二十世紀のソ連のような全体主義を志す国家」で、「先例は、古代中国にも近代中国にも存在していた」と古代王朝以来の全体主義の伝統を継ぐと解説する。

 ソ連の全体主義は、失敗に終わり、経済成長や社会が進化するにつれて国民にある程度、自由が認められるようになった。

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