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【思ふことあり】五輪のなくなった夏に学ぶ スポーツジャーナリスト・増田明美

75回目の「終戦の日」を迎え、靖国神社には多くの参拝者が訪れた=15日午前、東京都千代田区(川口良介撮影)
75回目の「終戦の日」を迎え、靖国神社には多くの参拝者が訪れた=15日午前、東京都千代田区(川口良介撮影)

 ミンミンゼミからツクツクボウシにバトンがわたる日本の夏を、久しぶりに体験している。というのも例年だとこの時期は、オリンピック、パラリンピックか、世界陸上競技選手権、それがない年は国際NGOの活動で途上国へ視察に行っていた。今年は「東京五輪」のはずだったが、来年に延期に。訪れた突然の夏休みに、テレビや新聞を見る時間が増えた。

 今年は終戦から75年ということもあり、8月上旬は日本映画専門チャンネルで「戦後75年特別企画」として戦争を題材にした映画やドキュメンタリー、アニメが連日放送されていた。ある日は「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」、日米両視点で硫黄島の戦いを描いた映画を。またある日は戦時中の日常を描いたアニメ「この世界の片隅に」を。沖縄戦や樺太戦を取り上げたドキュメンタリーもあった。

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 そんな番組を見ながら、祖父のことを思った。私の父は2歳のときに父親を戦争で亡くしている。もちろん、父にその頃の記憶はないそうだが、祖父がいなかったら私は生まれなかったわけだ。祖父は海軍士官で、第二次大戦では巡洋艦八雲に乗って戦線へ。1944年2月、マーシャル諸島のクェゼリン島で戦死した。妻と5歳の娘、2歳の息子を残してさぞや無念だったことだろう。

 それでも戦争を実感として知らない私は体験談から戦争の恐怖、悲惨さを感じ取るしかない。NHKスペシャルでは、94歳になられた渡辺恒雄さん(読売新聞グループ本社主筆)が戦争体験を話していた。終戦の知らせを受けた後、「シラミだらけの下着を煮てもらったよ。シラミが死んで、ざまあみろと思ったね」と話す姿が生々しかった。

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