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【一筆多論】今や「世界一の商売敵」に 佐藤好美

中国の企業が開発したワクチンを手にするブラジルの看護師=8日、ポルト・アレグレ(ロイター)
中国の企業が開発したワクチンを手にするブラジルの看護師=8日、ポルト・アレグレ(ロイター)

 新型コロナウイルスのワクチン開発では、世界で100を超える研究機関と医薬品メーカーがしのぎを削っている。

 各社が入り乱れているのは、通常なら10年前後かかるワクチン開発で、時間短縮の新しい手法が試みられているからだ。新しい手法の中には、専門家によると、「研究者が1人いれば技術的にはさほど難しくない」ものもあるという。

 何より驚いたのは、中国とかロシアとか、これまでワクチンや医薬品の開発で聞いたことのない国が登場していることだ。

 もともと、医薬品を開発できる国は世界でも限られている。米国、スイス、フランス、英国などに集中する。日本やドイツも一角に入っている。

 民間調査機関「IQVIA」によると、2019年の世界の医療用医薬品などの売上高は、(1)ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)(2)ノバルティス(スイス)(3)ロシュ(スイス)が並ぶ。その後も10位まで米国、米国、フランス、米国、英国、米国、米国のメーカーが並ぶ。

 ワクチンを開発するメーカーはさらに絞られるはずだ。

 そんな世界を見ていたのに、ワクチン開発で「世界初」と名乗りを上げたのはロシアだった。

 ロシア? いぶかしんでいたら、効果と安全性を確認する臨床試験の最終段階を省略したという。ルールを逸脱している。

 今回は、時間短縮で思わぬ事態も起こり得る。それなのに、最終段階を省略するなんて乱暴すぎる。論外である。

 そう。医薬品開発で蓄積と経験が問われるのは、実はここなのだ。臨床試験や薬剤の標準化、製造など、地味な製品化の過程である。だから、各国とも研究機関が企業と協力して開発に当たっている。

 着手が早かったのかもしれないが、中国からは複数の製薬会社がワクチン開発のトップ集団に入っている。

 開発力があることは宇宙開発や自然科学分野の学術論文の数からも知れる。停滞するロシアとは違う。

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