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【世界の論点】香港の「反中紙」弾圧 欧米紙「言論の自由侵害に危機感」 香港紙は自己検閲

10日、香港で、蘋果日報の本社から警察に連行される黎智英氏(中央)=AP
10日、香港で、蘋果日報の本社から警察に連行される黎智英氏(中央)=AP

 香港警察は10日、中国共産党に批判的な論調の香港紙「蘋果(ひんか)日報」(リンゴ日報)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏や同社社長らを香港国家安全維持法(国安法)違反などの容疑で逮捕し、同紙を発行する「壱伝媒」(ネクスト・デジタル)本社を家宅捜索した。「一国二制度」で「報道の自由」が認められてきた香港での報道機関へのあからさまな弾圧に、英米メディアは非難の姿勢と危機感をあらわにした。一方、香港では、当事者の蘋果日報を除くメディアは中国政府への直接的な批判を避け、自己検閲の広がりをうかがわせた。

 ■欧米 言論の自由侵害に危機感

 欧米メディアは、香港紙「蘋果日報」の創業者、黎智英氏の逮捕などを受け、香港の報道・言論の自由が侵害された事態に危機感をあらわにした。

 「香港の独立した自由な報道機関が新たな暗闇に入ったことを示す明確な兆候だ」

 英紙ガーディアン(電子版)は12日、蘋果日報の家宅捜索や黎氏の逮捕をこう批判した。同紙は、蘋果日報をやり玉に挙げることで、当局が中国共産党を批判する「主要な声」を排除するだけでなく、「(中国政府の意向に沿った)自己検閲を香港全体に引き起こすことができる」との専門家の分析を紹介した。

 英紙インディペンデント(同)も11日、黎氏の逮捕などを「香港のジャーナリスト界全体に対する脅迫」と非難した。同紙は、投資家が香港の正確な報道に頼れなくなれば、中国本土への大部分の直接投資の窓口である香港経済に影響を与えると予測。中国は香港の報道の自由を継続しなければ「重い代償を払う」と警告した。

 言論の自由を弾圧する習近平体制に西側諸国がいかに対処すべきかとの議論も起こっている。米紙ニューヨーク・タイムズ(同)は10日、中国政府の香港への管理強化だけでなく、新疆ウイグル自治区での人権侵害や南シナ海の軍事拠点化を挙げて、習国家主席の「見当違いな侵略」と断じ、「米国や同盟国、自由を謳歌(おうか)する全ての人々は、習氏が中国を『期待の星』から『社会ののけ者』に変えつつあると、あらゆる機会に北京にはっきりと伝えなければならない」と訴えた。

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