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【スポーツ茶論】コロナ時代の政治家の見識 黒沢潤

 米大リーグで1998年、2632試合連続出場の偉業を打ち立てた鉄人、カル・リプケン氏によもや、米中西部の空港でバッタリ遭遇するとは、予想だにしなかった。

 黒人差別への抵抗運動の震源地となったミズーリ州に約5年前出張に行き、恐る恐る声を掛けてみたとき、「おー日本人か、一緒に写真を撮ろう」とまで言ってくれ、感激したのを今も思い出す。

 日本の鉄人、衣笠祥雄氏(2215試合)も超えたこの英雄は今春、コロナ禍の食糧難に苦しむ米貧民層への寄付を募るため、59歳でツイッターの使用を開始した。賛同団体から1千万円超を集め「効果を生むにはチームが必要」と寄付をさらに募っている。

 苦難にあえぐ人々のために、コツコツと地道に寄付を集めるその姿は、現役時代の実績を支えた肩や腰、脚など肉体の各パーツをあたかも「精密機械」のように大切にケアし、ついに偉業達成にまで至った彼の人生をも映し出す。

 日本でも、サッカーの長友佑都がコロナ禍に苦しむひとり親の支援に乗り出した。「売名行為」と揶揄(やゆ)する声も一部であるが、長友は「行動できる偽善者の方がよっぽど世の中に影響与えるし、かっこいい」と強調、民間レベルの社会貢献を後押ししている。

■   ■

 コロナ患者を受け入れる病院からは今、「受け入れれば受け入れるほど赤字経営を強いられる」との悲痛な声が上がっている。感染の恐怖と闘いつつも、職業人としての「使命」から、治療に身を投じる医療従事者のボーナスが減額されたとの話を聞くたび、胸つぶれる思いがする。

 こうした状況の中、「国民の公僕」たる政治家から、税金を原資とする自分たちのボーナスを全額返上するといった声はほとんど聞かれない。

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