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【一筆多論】極東で「反プーチン」噴出 遠藤良介

 ロシアでは、地方知事の選挙が行われてはいるが、実態は「疑似民主主義」だ。大統領には知事の解任権や知事代行の任命権がある。プーチン氏は「選挙は危うい」あるいは「政権に不都合だ」と考える知事を任期中に解任し、代行を任命してきた。その土地と縁のない「落下傘」が任命されることも多い。

 ロシアの知事選では、報道の露出度が高く、公務員や公営企業従業員を投票に動員できる「現職」が圧倒的に有利だ。かくして体裁上は選挙をくぐらせつつ、政権は都合のよい人物に地方統治を委ねてきた。

 フルガル氏はこうした状況下、18年9月の知事選で、政権与党の現職を破って当選した地元出身の元実業家だ。就任後は自身の給与を大幅にカットし、公費の無駄遣いに切り込むなどして注目された。高い人気ゆえに疎まれ、拘束されたとの見方が強い。

 これまでもモスクワなど西部の大都市では反政権機運が強いと指摘されてきた。ハバロフスクのデモは、地方にも体制を揺るがしかねない火種がくすぶっていることを示した。

 北方領土交渉は日本の失策もあって暗礁に乗り上げてしまったが、過度に悲観する必要はない。

 昨年8月号の雑誌「正論」で対談した在日ウクライナ人、ナザレンコ氏は、ロシアが不安定になったときが交渉のチャンスだとしつつ、こう述べた。

 「ロシアという国は膨張主義で、管理できないほどの領土を抱えてしまった末に内戦などが起きます…安定した状況はずっと続くものではありません」。全く同感である。(論説委員)

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