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【スポーツ茶論】勝利の方程式の答えは田沢か 津田俊樹

 炎上、それも大炎上である。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上の話ではない。プロ野球の抑え投手が打ち込まれ、マウンド上で呆然(ぼうぜん)と立ち尽くすシーンが続いている。

 2シーズン連続最多セーブ投手のDeNA・山崎康晃は早くも3敗目を喫し、7月29日の巨人戦では3年ぶりに中継ぎに回った。優勝候補の一角の広島は切り札不在で波に乗れない。セ・パ両リーグの首脳陣は勝利の方程式を解くのに頭を悩ませている。

 野球で最も難しいのは、最後のアウトを取ること、といわれる。その大役を担うクローザーにはスピード、球威、鋭い変化球に加え、勝負の行方を左右する重い責任を担うだけに精神面の強さが求められる。

 コロナ禍による開幕の遅れ、観客の人数制限など例年とは違う日程や雰囲気が影響しているのか、終盤を踏ん張り切れず、もつれるゲームが多い。今シーズンは7月末の戦力補強期限が9月末までに延ばされた。投手陣の台所事情が苦しい球団はスカウト網を海外まで広げて、選手獲得に躍起になっているが、国内に即戦力がいるではないか。ボストン・レッドソックス時代にワールドシリーズ制覇を経験した田沢純一である。

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 新型コロナウイルス感染拡大のため、4月に帰国して調整を続けてきた田沢は7月、日本野球機構(NPB)ではなく、独立リーグのルートインBCリーグ埼玉への入団を表明した。社会人野球の新日本石油ENEOSのエースとして活躍。2008年のドラフト会議で1位指名されると予想されたが、その1カ月以上前に大リーグ挑戦を表明した。日米間には「ドラフト候補選手には接触しない」との紳士協定があったものの、メジャー挑戦への熱い思いを抱く田沢を引き留めることはできなかった。

 人材流出を懸念するNPBは「渡米するアマチュア選手がNPB入り拒否の意思表示をしたうえで海外球団と契約した際は、帰国後、高校卒なら3年間、大学ならびに社会人出身なら2年間はNPBの球団とは契約できない」という方針を打ち出した。「田沢ルール」は本人にも適用されるため、ペナルティーの意味合いが濃い。ルールといわれるものの、明文化されたわけでなく、申し合わせ事項にすぎず、獲得に乗り出しても野球協約違反にはならない。

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