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【新聞に喝!】感染広げたWHOに克服求める愚 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦

フランスの医療従事者と新型コロナウイルスとの闘いにおける献身をたたえる軍事パレードに臨席するWHOのテドロス事務局長=7月14日、パリ(ロイター)
フランスの医療従事者と新型コロナウイルスとの闘いにおける献身をたたえる軍事パレードに臨席するWHOのテドロス事務局長=7月14日、パリ(ロイター)

 朝日新聞7月7日付「コロナの時代 パンデミックの序章(下)」に重要な記述がある。

 中国政府は1月下旬、世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言し、人の往来や貿易の制限を勧告することを心配し、専門家グループを武漢に招き懸命に対策をアピールした。その直後、22日と23日にも開かれたWHO緊急委員会は宣言を見送り。これを喜んだ習近平国家主席は、28日にWHOのテドロス事務局長を北京に招待して称賛した。30日にようやく緊急事態宣言は出されたが、貿易や渡航の制限勧告はなかった。

 WHOが勧告に消極的だったのは、2002~03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)のトラウマによるという。中国の情報出し渋りを当時の事務局長は強く批判したが、「情報開示を強く迫ったことが、かえって中国政府を硬化させたのではないか--。内部ではそんな反省が語られてきたとWHO関係者は明かす」「テドロスは情報を中国から引き出す役割を担いながら、その顔色をうかがい、褒め続けた」とある。

 ただし、この記事で最も注目されるのは、台湾に関する部分である。台湾は昨年末、WHOに問い合わせるだけでなく、「中国側に対しても武漢の状況を直接見せるよう強く要請。中国は拒否しきれず、1月12~15日に台湾の医師らが武漢の病院などを視察することを認めた。この時、中国はまだ『ヒトからヒトへの感染』を認定しておらず、WHOからも満足な回答はなかったが、台湾衛生当局者は『武漢から報告を受けた時点でヒトからヒトへの感染が起きていると判断した』と証言する」と述べられている。

 つまり中国は台湾を村八分にしながら、1月前半の段階で武漢視察を受け入れたのである。それにより台湾は敏速な対処ができ、死者7人に抑えていると朝日は説明する。

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