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【朝晴れエッセー】人気者は世にはばからず…・8月1日

 「憎まれっ子世にはばかる」と、よく耳にするがうちの祖母も例外ではなかった。と、思っていた。つい先日亡くなるまでは。

 御年109歳、天寿を全うされ荼毘(だび)に付された。

 祖母といえば戦後の厳しい時代を生き抜いた割には、あんぱんはアンコがない部分は「もむない」と言い食べない。ソフトクリームはクリームのネジネジ部分以外は食べずに捨てようとしていた。子たちから聞こえてくるのはそんな祖母の陰口ばかり。祖母も負けじと憎まれ口。

 しかし、そんな祖母も晩年は介護ホームにお世話になり最期のときもホームの方やお仲間、親族に看取られ旅立った。まだまだ長生きし果ては日本一のご長寿とまで予想していたのだが叶わなかった。

 葬儀の席で流されたスライドを見て祖母がこの歳でこの世を去った理由が少しわかった気がした。

 スライドは若かりし頃の姿や孫、友達との懐かしい思い出のシーンで始まり、後半に映し出されたのはホームでの写真だった。そこには今まで見たことのない満面の笑みであふれる祖母の姿があった。

 人間の煩悩108つ。109まで生き抜き全ての煩悩を見事クリアし、いつしか憎まれっ子は人気者になっていたようだ。

 おばあさん、あなたの子孫たちは相も変わらず憎まれ口の毎日を送っております。当分はあなたのおそばにいける者はいなさそうです。安心して仏の笑顔でお休みください。西窪さとみ 45 会社員 奈良市

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