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【主張】高校に新学科 時代に流されない中身を

 高校の普通科を再編し新しい学科を設ける案が出ている。中央教育審議会の部会で基本方針が示された。

 画一的との批判がある普通科の改革が狙いだが看板倒れにならないか。生徒の学習意欲を高める教育内容こそ議論してもらいたい。

 高校は普通科のほか、工業、農業など専門教育を主とする学科や、普通教育と専門教育を融合させた総合学科がある。

 検討されるのは普通教育を主とする学科で、普通科に加え「学際融合学科」「地域探究学科」(ともに仮称)を設ける案だ。早ければ令和4年春の導入を目指す。

 普通科は高校生の約7割が通うが、勉強する目的意識や授業への関心が低いとの懸念が指摘されてきた。新学科は、たとえば国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に、教科の枠を超えて環境問題などの課題に取り組むという。また少子高齢化など地域社会が抱える課題に取り組むことなどを想定している。

 地域の課題を通した学習は、目的を持って学ぶ意欲につながる期待はある。問題解決型の教育は、新型コロナウイルス感染拡大など、何が起きるか分からない不透明な時代で意義が増している。

 だが新学科によって教育が急に良くなる保証はない。教育内容や教える人材が伴わず、何をしているのか分からない学科が増えても困る。「SDGs」といった目新しい言葉に飛びつき、一部教員が「脱原発」など、現実離れした政治主張を教育現場に持ち込むことも願い下げだ。

 あえて新学科をつくらずとも、地方の高校が地元農家と協力し、廃棄される農産品を利用し新商品を生むなど、地域活性につながる活動や研究が行われている。そうした事例こそ参考にしたい。

 教育改革では「課題解決」「学際的」と耳にタコができるほど言われ続けてきた。小中高校で総合的学習の時間が導入されて久しいが、学校間や教師間で取り組みの差が大きく、貴重な時間を浪費しているとの批判もある。その反省なく、新学科に飛びついても教育現場は、うんざりするだけだ。

 受験科目以外は勉強しない。大学受験がゴールで学ばなくなる問題も相変わらずだ。時代を超え通用する確かな知識と教養を磨き、さらに学びたくなる魅力ある高校をつくる論議をしてほしい。

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