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【世界の論点】WTO事務局長選 課題さまざま

スイス・ジュネーブにある世界貿易機関(WTO)の本部 (ロイター)
スイス・ジュネーブにある世界貿易機関(WTO)の本部 (ロイター)

 世界貿易機関(WTO)の次期事務局長を決める選挙の立候補届け出が今月上旬、締め切られた。次期事務局長の前には、世界的な保護主義の台頭や米中両国の対立、新型コロナウイルスの感染拡大による貿易全体の減速に加え、WTO自体の紛争処理機能の不全など、さまざまな課題が横たわる。英国では、WTOに批判的なトランプ米大統領と対等に交渉できる人物が望ましいとの見方がある一方、中国の影響力増大への懸念も浮上。候補者を出した隣国・韓国では、日本の“妨害工作”を懸念する声が目立つ。

≪ポイント≫

 ・次期事務局長には保護主義回避の重責

 ・トランプ氏の存在がWTO復権の課題

 ・アフリカ出身者なら中国の影響力懸念

 ・韓国は選挙楽観、日本の妨害工作危惧

■英国 復権の課題は対米交渉力

 WTOは自由貿易を支える国際機関だが、ここ数年の世界貿易全体の減速や米中対立のあおりを受け、存在意義が揺らいでいる。次期事務局長はWTOの危機を克服する役割が求められ、選挙には緊張感が漂う。ただ、事務局長選より11月の米大統領選が重要と捉え、次期事務局長の役割は限定的だとの見方もある。

 「誤った選択をすれば、世界貿易のシステムそのものの崩壊を招くだろう」

 事務局長選の立候補届け出締め切り後の13日、候補者の一人である英国のフォックス前国際貿易相は英紙テレグラフ(電子版)の寄稿で、今回の選挙の重要性を強調した。フォックス氏は、米中の長引く貿易戦争や世界の貿易量の縮小などWTOが直面する課題を列挙。新型コロナウイルスの感染拡大が世界貿易に打撃を与えたとされる中、「新型コロナ流行の前でさえ、世界の貿易システムはきしんでいた」と指摘し、「自由貿易の概念そのものを再確立しなければならない」と危機感を示した。

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