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【世界の論点】ボルトン氏「政権内幕本」の波紋

 「ボルトン氏が極右的な見方で米大統領に助言していたことは明白だ」。康京和(カン・ギョンファ)外相は6月29日、国会でボルトン氏をこう批判した。次期大統領の与党有力候補と目される李洛淵(イ・ナギョン)議員は「米国の対外政策がどれほどお粗末に決まり、歪曲され得るかを赤裸々に表した」と指摘した。

 親政権傾向の韓国紙ハンギョレは同24日付社説で、厳しい非核化条件を北朝鮮に突き付け、昨年2月の米朝再会談を物別れに導いたボルトン氏について「朝鮮半島の平和の妨害者だ」と主張した。だが、朝鮮日報が6月23日付社説で文氏が現実を「歪曲した」と論じるなど、韓国紙の大半はボルトン氏の記述を基に、米朝間を仲介役として立ち回った文外交を批判した。

 中央日報は23日付社説で、大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が「『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)』に同意するよう金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を強く説得した」と発言したとする著書の記述を紹介。米国は韓国を信じて初の米朝首脳会談に臨んだが、「北朝鮮はCVIDに言及したことがなく、ボルトン氏の主張通りなら、鄭氏は米国をだましたことになる」と指摘した。

 社説は、北朝鮮にとっての「非核化」は在韓米軍の撤収や韓国への米国の「核の傘」の撤廃を含む「朝鮮半島全体の非核化」であり、米朝と韓国は「初めから同床異夢だった」と論じた。その上で、米朝会談について、文政権が「熟してもいない実を性急に採ろうとして起きた惨事だった」と結論付け、韓国政府に事実関係の釈明を求めた。

 東亜日報も23日付社説で、鄭氏が米朝双方を行き来し、金氏の会談の意向をトランプ氏に伝えた仲介外交が「結果的に米国には北朝鮮の非核化の可能性を伝え、北朝鮮には制裁緩和が可能だと誤認させた“配達事故”につながった」とし、「『正直な仲裁者』とはかけ離れていた」と批判した。

 ボルトン氏の今回の暴露が「韓米関係の信頼に否定的な影響を及ぼしかねない」と危惧も示し、米韓の信頼を回復して共同の対北戦略を練るべきだと強調。文政権の「仲裁者論」を取り下げ、「制裁を軸に北朝鮮を非核化の道に導く以外に正道はない」と締めくくった。(ソウル 桜井紀雄)

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