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【朝晴れエッセー】半夏生・7月1日

 今年もわが家の庭の片隅にある「半夏生(はんげしょう)」の葉の一部が緑から白く色づき、はかなげな花を咲かせてくれた。梅雨時の不快感を忘れさせてくれる涼やかさが心地よい。

 その名前のとおり、季節をあらわす「七十二候」の1つ「半夏生」の時季に、爽やかな緑の葉と清らかな白の葉とのコントラストを映し出してくれる。

 その様子から別名「半化粧」ともいうそうだ。えも言われぬ趣があり、わが家のささやかな自慢の草花だ。

 実は、この「半夏生」はなかなか貴重な植物である。『埼玉県レッドデータブック2011植物編』には「絶滅危惧II類」(埼玉カテゴリー)として掲載されている。

 かつて私が、県営の産業団地造成に携わっていた際、ある産業団地の造成地内に自生していた半夏生の群生を、現場の判断で安全な場所に丁寧に移植したという報告を聞いたときは、わが事のようにうれしかった覚えがある。

 わが家の半夏生は、実は15年ほど前、近所の御婦人に苗を分けていただいたものを増やしたものだ。

 この御婦人には、私たち夫婦が結婚して引っ越してきたときからたいへんにお世話になり、私たちの子供も可愛(かわい)がっていただいた。残念だが御逝去されて10年ほどたつ。半夏生が白く色づくこの時季に御婦人をしのぶことが習慣となった。

 これからも、この時季にはわが家の庭の片隅で、葉を白く色づかせ、はかなげな花を咲かせてくれるだろう。

 梅雨時の涼やかな風情を味わいつつ、御婦人を懐かしむ縁(よすが)として、これからも大切にしたいと思っている。吉田正 61 埼玉県久喜市

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