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【世界の論点】急速に悪化する中豪関係

5月18日、世界保健機関の総会にテレビ会議で参加する中国の習近平国家主席 (AP)
5月18日、世界保健機関の総会にテレビ会議で参加する中国の習近平国家主席 (AP)
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 貿易や投資で深まっていた中豪関係が急速に悪化している。中国が震源地となった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をめぐり、オーストラリアが第三国による調査を要求すると、反発する中国が豪州産牛肉の輸入を一部停止するなど圧力を加えている。さらに豪州では中国の関与が疑われる大規模なサイバー攻撃が発生し、豪メディアは中国への批判を強めている。

≪ポイント≫

 ・欧米は新型コロナ蔓延で中国に責任転嫁

 ・中豪関係は米中の動きに付き従って進む

 ・豪はサイバーで米英と連携強化すべきだ

 ・豪州市民は中国の責任ある行動に懐疑的

中国 最大の妨害要因は米国だ

 昨年、オーストラリアで中国のスパイによる工作活動をめぐる疑惑が相次いだこともあり、中豪関係はぎくしゃくしていた。そこに、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)を受けて豪政府が4月にウイルス発生源などに関する「独立した調査」を要求し、両国の関係は一気に悪化した。中国国営中央テレビ(電子版)は11日の記事で、「新型コロナが突発して以来、若干の欧米諸国の政治屋は自国の感染症対策の力が不足している責任を回避するため、中国と中国人を責任転嫁の対象にした」と難じた。

 中国は、さまざまな手段を通じて豪側への圧力を強めている。5月には豪州産牛肉の輸入を一部停止し、豪州産大麦に80%超の高関税を課すことを決めた。さらに、豪州で「アジア系に対する差別的な事件」が起きていると主張し、当局は旅行や留学の取りやめを自国民に促している。

 中央テレビの記事は、今年4月に豪南東部メルボルンの街頭で中国の女子留学生2人が「私たちの国から出ていけ」と白人女性に罵(ののし)られたなどと伝える。「豪州で頻発している人種差別事件の氷山の一角だ」とし、こうした事件が起こることに関して「政治屋がそそのかし、一部の地元メディアが故意にあおり立てていることと密接に関連している」と豪側を責める識者の意見を紹介した。

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