PR

ニュース コラム

【朝晴れエッセー】忘れ得ぬ思い出・6月26日

 50年近く前、離婚して10歳と7歳(全盲)の子供との母子家庭になった。

 どうすればよいのか涙と困惑の日々を過ごしていたとき、暮れのある晩、上の兄が訪ねてきて「ボーナスが出たから、これ生活の足しにして」と、10万円が入った封筒を差し出して「ウチの奥さんには内緒にして」と。

 次の日の昼間、その兄嫁が訪ねてきた。

 「旦那の会社でボーナスが出たの。これ使って」「ダンナにも誰にも内緒にしてね」。差し出した封筒には10万円が入っていた。昨晩のことを話し、気持ちだけをありがたく受け取り2人の好意に深く感謝し感動しました。

 新年元旦はお祝いと縁がなく、トーストと紅茶で「おめでとう」を言い合った。

 昼前に実家の母が訪ねてきた。何もない雰囲気の室内や台所、多分冷蔵庫も開けたと思う。何か顔をこわばらせたようにして「また来るわね」と言い帰った。

 それから2~3時間後、クラクションが窓の外で鳴り、のぞいてみると下の兄と弟が車で来ていて、それぞれに段ボール箱をかかえて置いていった。中身は「ごちそう玉手箱」。母子3人歓声を上げた。

 暮れと新年の親兄弟からの「忘れ得ぬ思い出」はその後の私たちに生きていく上で何よりの励ましとなり、頑張ってこられました。

 苦境の中にでも必ず救われ慰められるものがあるから、私も子供と一緒に成長できました。今私は数々の豊かな思い出に感謝しています。

高橋公子 77 東京都狛江市

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ