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【直球&曲球】葛城奈海 国民の救出、他国に委ね続けるのか

北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」公開収録で、メッセージをおくる横田滋さん=平成18年12月、東京・大泉学園町の陸上自衛隊広報センター
北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」公開収録で、メッセージをおくる横田滋さん=平成18年12月、東京・大泉学園町の陸上自衛隊広報センター

 拉致問題の象徴的存在だった横田めぐみさんの父、滋さんが亡くなった。忽然(こつぜん)と姿を消した愛娘(まなむすめ)との再会を一日千秋の思いで待ち続けて43年。「必ず取り戻す」という夢は、生あるうちには、ついに叶(かな)わなかった。

 拉致問題を「最優先課題」としながら、5人の拉致被害者が帰国してから20年近く、一人の帰国も実現できていない政治の責任は重い。一方で、このような情けない国のままであることを許してきた、われわれ国民もまた、自らの恥として、責を深く自問すべきであろう。

 予備役ブルーリボンの会では、かねて拉致被害者救出に自衛隊を活用することを訴えてきた。これに関連し、昨年12月に特定失踪者家族会から菅義偉官房長官兼拉致問題担当相に提出した要請文書に対し、本年3月に届いた回答には、「自衛隊への任務付与」について「政府全体として、不断の検討を続けて参る所存」とあった。

 「不断の検討」とは、具体的に何か。最大の当事者である防衛省に対し、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表が3月末に情報開示請求を行った。しかし、このほど届いた2枚の紙は、「在外邦人等保護措置」と「邦人救出」に関する一般論に5年も前の国会答弁をつけたもので、「だから、何?」と聞きたくなるような代物であった。防衛省、ひいては国の誠意を疑わざるを得ない。

 北朝鮮による拉致に限らず、日本は戦後ずっと海外で窮地に陥った邦人の救出を他国に委ねてきた。イラン・イラク戦争、湾岸戦争、イエメン内戦、リビア動乱に際して邦人がいかに救出されたかを徹底取材した『日本、遥(はる)かなり』の著者・門田隆将氏は海外で活動する多くの邦人に、こう教えられたという。「海外で危機に陥ったとき、外国人は、『心配するな。必ず国が助けに来てくれる』と信じており、一方、日本人は、『絶対に国は助けてくれない』そう思っている」(同書から)。

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