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【日曜に書く】論説委員・河村直哉 こんな国でいいのだろうか

 朝鮮中央通信が5月24日配信した朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議に出席する金正恩党委員長(朝鮮中央通信=共同)
 朝鮮中央通信が5月24日配信した朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議に出席する金正恩党委員長(朝鮮中央通信=共同)

 5年前、北朝鮮による拉致問題を考えるシンポジウムが大阪で開かれた。コーディネーターを務めていた筆者は、討論会の終盤、集められた質問用紙を見ていて、複数の同じ問いがあることに気づいた。

◆なすべきことは

 「日本人として私たちは何をすべきでしょうか」

 会場には若い世代もいた。若い人がその質問をしたかどうかは分からないが、拉致問題への関心が受け継がれていくように感じた記憶がある。3人のパネリストに質問を投げた。当時の大阪本社版の紙面から引用する。肩書も当時のものだ。

 中山恭子氏(参議院議員)「被害者を何としても日本に帰したい。そう思ってくださる方がどれだけいるかが大きなテーマになってくる」

 西村真悟氏(前衆議院議員)「やはり関心を持続することに尽きる」

 荒木和博氏(特定失踪者問題調査会代表)「拉致問題に決着をつけなければ、次の世代にこの国を渡すことはできません」

 中山氏は拉致問題担当相も務めた。西村氏は拉致被害者、横田めぐみさんについて国会で初めて質問した。荒木氏はいまも調査会代表を務めている。拉致問題に深くかかわってきた3人の発言は、切実さをもって会場に響いた。

◆横田滋さんの死

 5年がたった。めぐみさんの父、横田滋さんが亡くなった。

 シンポジウムでは滋さんと早紀江さんご夫妻のビデオメッセージも流れた。断片的だがその表情の記憶が残る。

 いまなお拉致被害者の救出がかなっていないことを、筆者は自ら恥じる。

 拉致問題への関心を持ち続けることは前提条件である。そのうえで「日本人として何をすべきか」と、改めて問う必要がある。滋さんの死後、早紀江さんはこう述べた。

 「どこまでがんばれるか分からないが日本は拉致被害者を放置しない。必ず取り返す、ということを最後まで皆さまに訴えていきたい」

 頭が下がる。しかしこれは、私たち自身が政府や北朝鮮、国際社会に訴えていかなければならないことである。

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