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【直球&曲球】中江有里 生活様式をより進化させたい

 東京でも緊急事態宣言が解除されて、一気にいろんなことが動き出した。春に小学1年生になった、おいっ子も今月分散登校から始まって、ようやく通常登校になった。

 桜や新緑の美しい季節はいつのまにか過ぎ去り、梅雨へと入ったが、やがてくる猛暑の対策に頭を悩ませている。

 マスクはその筆頭だ。夏マスクや冷感マスクといったネーミングの商品をいくつか使用しているが、すでに熱中症の危険を感じる。

 この数カ月でマスクは人前で着けるべきものになった。

 礼儀、様式化したマスクだが、たまに見かける顎に引っ掛けている人は単にポーズで着用している。それにどれだけ意味があるのかと思う。

 様式といえば政府が発表した「新しい生活様式」。これらを厳格に守れるか不安だ。

 私の実家は飲食店を経営していたのだが、昨年廃業した。もし続けていたとしても持ち帰りやデリバリーが推奨されている「新しい生活様式」のもとでは持続化給付金が支給されたとしても、経済的な理由から続けるのは難しかっただろう。

 知り合いのアパレル業者も「内部留保のない会社は耐えられない」と言っていた。社会は動き出したが、この数カ月間、経済が止まった後遺症は、これから先にあらわれるのかもしれない。

 「新しい生活様式」に話を戻すが、そもそも様式とは外形だ。

 一方、生活は一日一日の積み重ね、それはやがて「人生」と呼ばれるものになる。

 「新しい生活様式」という皆が無事に生き延びるための様式によって、誰かの人生が壊れるのは本末転倒である。

 新しいことに挑戦するとき、マニュアルやルールがあると楽だ。安全な方法があらかじめ提示されるからだ。しかし自分の生活、人生のマニュアルは自分でも考えなければならない。

 「新しい生活様式」はいわば新たな挑戦。大きな枠組みとして重んじても、自分の生活のあり方と現状を鑑み、よりよい「生活様式」に進化させていくことは諦めたくない。

【プロフィル】中江有里

 なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」に出演中。文化審議会委員。

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