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【一筆多論】今こそ憲法と道徳学ぼう 沢辺隆雄

 人が良さそうに見えるのか、いろいろ頼まれやすい。本稿も他の人の都合が優先され、締め切りが二転三転した。陰で出稿担当者が「いいよ」と安請け合いするやり取りが聞こえたが、ぜんぜんよくない。

 ささくれた気持ちで資料を見ていると、日本教職員組合の「月刊JTU(5・6月合併号)」で「新型コロナ禍と『公共』」という特集があった。

 戦後教育では、公より個人の権利に重きが置かれてきたのは周知の通りだが、日教組も公共の精神が大切-と目覚めたのか。驚いて見ると「危機に堪えうる社会資本を」との見出しが続き、公務員の人員削減の弊害などを指摘し、公共を担う社会資源の整備などを求めた組合ならではの特集のよう。

 「滅私奉公」と言っては時代錯誤と怒られるが、学校では、思いやりや奉仕の心をもう少し教えてもらえないか。そうすれば身勝手な同僚も減るのでは、と思いながら最近手にした本を紹介してみたい。戦後教育の場でも不遇な扱いを受けてきた憲法改正と道徳教育をテーマにした本だ。

 1冊は、『憲法9条を正しく知ろう』(西修・駒沢大学名誉教授、海竜社)。本紙「正論」執筆メンバーでもある著者が、9条の成立経緯や諸外国との比較、9条をめぐる政府解釈の分かりにくさなどを、分かりやすく教えてくれる。憲法改正の議論を深化させるためにも、正しい理解が必要だとの考えからだ。

 「緊急論稿」として新型コロナウイルスに対する特別措置法の問題点なども取り上げ、「予測を超える事態に迅速かつ強力に対処するためには、憲法条項が根底になければならない」と指摘している。

 西氏は同書の中でも衆参に設置された憲法審査会がめったに開かれず、憲法審の予算が生かされていないことを嘆いていた。5月28日に今国会初めてとなる衆院憲法審がようやく開かれたが、「ゆっくり落ち着いて議論をやればいい」といった声も相変わらずあるようだ。本紙政治面では緊急時の対応など各党の認識に「ズレ」があることを指摘していたが、憲法改正が「不急」というのは、のんびりしすぎ、この世の国会とも思えない。

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