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【100年の森 明治神宮物語】記憶(4)日本と台湾を結ぶ大鳥居

明治神宮から移設された武蔵一宮氷川神社の大鳥居=14日、さいたま市大宮区(鵜野光博撮影)
明治神宮から移設された武蔵一宮氷川神社の大鳥居=14日、さいたま市大宮区(鵜野光博撮影)
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 南参道と北参道が出合う場所にある第二鳥居は、高さ12メートル、幅17・1メートル、柱の太さは直径1・2メートルで、「木造の明神鳥居としては日本一の大きさ」とされる。建て替え後の昭和50年12月23日に行われた「くぐり初め」で、奉納した東京都世田谷区の材木商、川島康資さん=当時(72)=は「感無量の面持ち」で鳥居を見上げたと本紙は伝えている。

 実は代わりのヒノキは国内では見つからず、川島さんは台湾に足を運び、丹大山(3300メートル)で巨大なヒノキを発見。地元の材木商などが運搬用のトレーラーと道路を新たに作るなど全面的に協力したという。

「森を守る」同じ感性

 平成26年9月放送のインターネット番組「日本文化チャンネル桜 台湾チャンネル~日台交流頻道」は、この経緯を当時存命だった関係者らに取材して報じ、視聴した台湾の人々が明治神宮や冒頭の氷川神社を訪れるなどの反響を呼んだ。

 番組で取材した台湾研究フォーラム会長、永山英樹さん(58)は「伐採に協力した孫海さんという材木商は、丹大山に寺を建て、伐採した樹木を供養していると聞いた」と話し、こう続ける。

 「木の命を大切にして森を守るという同じ感性を、日本と台湾の人は持っているのではないでしょうか」

 明治神宮の8つの鳥居は順次、建て替えや修復が行われている。台湾材の輸出が禁止されたこともあり、第三鳥居は国産材が使われ、今後建て替えられる第一鳥居も奈良・吉野のスギなどで一新される予定だ。

 前出の小橋さんによると、氷川神社の大鳥居のように、東玉垣鳥居と西玉垣鳥居は福島市の福島稲荷神社で使われている。第三鳥居の建て替えで生じた部材は、近年の社殿修理の際、ご神体が遷(うつ)る仮殿の造営に生かされたという。鳥居の木々は姿や場所を変えながら、創建時からの100年の歴史と記憶とともに生き続けている。=毎週金曜掲載

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