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【大阪特派員】山上直子 静かに祭りを思う夏

昨年の祇園祭・山鉾巡行。御池通を巡行する山鉾 =令和元年7月17日午後、京都市中京区(永田直也撮影)
昨年の祇園祭・山鉾巡行。御池通を巡行する山鉾 =令和元年7月17日午後、京都市中京区(永田直也撮影)

 今年は随分、静かな夏になりそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国で祭りやそれに伴う祭事の自粛が決まっている。

 日本三大祭りに数えられる大阪の天神祭の「船渡御」も、京都の祇園祭の「山鉾(やまほこ)巡行」も、中止が決まった。いずれの祭りも平安時代に始まり、古くから栄えた商都、古都の夏の風物詩である。

 どの祭りを“三大”の一とするかは異論があるようだが、東京の神田祭も、青森のねぶた祭も自粛である。残念だが仕方がない。

 けれど、神社などで営まれる狭義の“祭”自体が中止になっているわけではない。例えば大阪天満宮や京都の八坂神社による祭礼は、今年も変わらず営まれる。祇園祭の「神輿(みこし)渡御」は中止だが、神事は神社内で行われることになる。

 祭りとは何か、という話になるが、今回中止されるのはおおむね、その祭られる神を“囃(はや)し慰める”ために民衆によって行われる祭事だ。さまざまな形態があるが本来はそれらが一体となって「祭り」を形作っている。

 中止が決まったのはその盛大な規模と人出のためだ。例えば天神祭は、2日間で約130万人、祇園祭も宵山期間と巡行を合わせ延べ100万人以上が押し寄せる。

 近年、観光産業が盛んになってその祭事の方に目が向けられがちだが、本来、祭りには始まった当初の人々の切なる願いがあった。地域の風土や慣習とも密接につながりながら継承されてきたことを、忘れてはいけない。

 少し歴史をひもとくと、中止は珍しいが、これまで全くなかったわけではない。天神祭で行事が中止になるのは、オイルショックの影響を受けた昭和49年以来46年ぶりだ。

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