PR

ニュース コラム

【風を読む】「戦う覚悟」が伝わるマスクを 論説委員・中本哲也

衆院本会議で令和2年度補正予算案が審議入りし答弁を行う安倍晋三首相=27日午後、国会(春名中撮影)
衆院本会議で令和2年度補正予算案が審議入りし答弁を行う安倍晋三首相=27日午後、国会(春名中撮影)

 日本の首相が今、果たすべき最も重大な責務は新型コロナウイルスと戦う「覚悟」を、すべての国民と世界に向けて、示すことである。

 はっきり申し上げる。

 顎の大部分がはみ出てしまう小ぶりのマスクを着用した姿からは「覚悟」が伝わらない。

 安倍晋三首相は「アベノマスク」とも呼ばれる布製マスクを、公の場で着け続けている。他の閣僚の顔半分がマスクに覆われているなかで、首相のマスクの小ささが際立ってしまう。アベノマスクの是非とは関係なく、国民の多くが首相のマスク姿に違和感を覚えているはずだ。

 首相がどれほどアベノマスクの品質と機能に自信を持っていようと、安心感や力強さは感じられない。アベノマスクは、そのサイズと見た目だけで首相のマスクにはふさわしくない。

 安倍首相が「全世帯に布製マスク2枚を届ける」と表明してから噴出したさまざまな批判、揶揄(やゆ)などの否定的な反応は収まってはいない。「ありがたい」といった評価の声もあるにはあるが、配布が始まってからも不良品の報告が相次ぎ、未配布マスクは回収を余儀なくされた。

 マスク批判や揶揄に反発することを「不要」であるとは言わない。が、間違いなく「不急」である。小ぶりの布マスクにこだわる姿勢からは「意固地さ」しか伝わらない。

 マスク騒動に関心のない海外の人々には、首相のマスクの面積が日本の医療水準の象徴と映りはしないか。

 国内的にも国際的にも、安倍首相が布マスクにこだわり続けることは、マイナス要因にしかならない。

 全国を対象とする緊急事態宣言の期限が迫っている。ウイルスとの戦いは長期化が不可避であり、5月6日で終止符が打たれるわけではない。

 安倍首相は改めてウイルスと戦う覚悟を示し、すべての国民に重ねて協力を要請しなければならない。重ねて書く。小ぶりの布マスクを着けたままでは戦う覚悟が伝わらず、国民への協力要請は説得力を欠く。

 アベノマスクへのこだわりを捨て、安心感と力強さを示す大ぶりで高性能のマスクを着用して、強い覚悟で戦う姿勢を内外に示してもらいたい。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ