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【記者発】無観客でも野球ファンは待っている 大阪運動部・丸山和郎

 観客に見立てたマネキンや看板が置かれた台湾プロ野球楽天の本拠地球場のスタンド=11日、桃園市(ゲッティ=共同)
 観客に見立てたマネキンや看板が置かれた台湾プロ野球楽天の本拠地球場のスタンド=11日、桃園市(ゲッティ=共同)
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 天気のいい日は自転車を移動ツールにしている。新型コロナウイルスの感染拡大で人との接触を避ける目的もあるが、決してそれだけが理由ではない。少し前まで街には桜の花びらが舞っていた。スポーツイベントの中止でこれまでのような取材活動ができない中、変わりゆく風景を楽しみながらペダルをこいでいると、いい気分転換になる。

 自宅から自転車で10分ほどの距離に、プロ野球オリックスの本拠地でもある京セラドーム大阪(大阪市西区)があり、毎日のようにドームの前を通りかかる。緊急事態宣言が発令されている今は、人影もまばらだ。感染を広げないことが第一の現在、やむを得ないが、やはり、球音のしない球場はさみしい。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が起こり、スポーツ界にも暗い影を落とす中、台湾プロ野球(CPBL)が今月12日に開幕した。台湾では感染者数が少ないこともあって、当初の予定から約1カ月遅れで開幕にこぎつけた。当面は無観客で開催を続け、全120試合の消化を目指すという。

 日本ではプロ野球は国民的スポーツであり、ファンに支えられてきた。在阪球団の幹部からも「(通常開催に向け)可能な限り努力したい」との考えを聞いていたが、球場にファンを入れると、密集を避けることは不可能。通常開催を前提にしていると、いつまでたってもプロ野球は開幕できなくなる。選手も3月中旬以降、実戦から遠ざかっていて、打者は打席で“生きたボール”を見ていない。投手も肩を作り直す必要がある。感覚を取り戻すまでには相当の時間がかかるだろう。

台湾プロ野球・楽天モンキーズのマスコットとチアガール
台湾プロ野球・楽天モンキーズのマスコットとチアガール
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 台湾ではネットの中継でファンがプロ野球を楽しんでいるという。日本野球機構(NPB)の斉藤惇(あつし)コミッショナーも23日、「国民的スポーツである野球を何とか家庭に届けたい」と話し、シーズン当初は無観客でも開幕する方針を示した。前例なき無観客開催は入場料収入を柱とする球団のビジネスモデルを変えることになる。また、開幕すれば選手に感染のリスクは広がる懸念もあるだろう。

 ただ、国民は今、スポーツに飢えている。12球団で知恵を結集し、一日でも早くファンに球音を届けるための努力を重ねていくべきだ。

【プロフィル】丸山和郎

 平成10年入社。16年から東京運動部でプロ野球巨人、20年から大阪運動部で主にプロ野球阪神や陸上競技を担当。夏季五輪を2度取材した。

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