PR

ニュース コラム

【一筆多論】“小池ワード”の曖昧さ 大谷次郎

新型コロナウイルスに関連して、会見を行う小池百合子都知事=6日午後、都庁(桐原正道撮影)
新型コロナウイルスに関連して、会見を行う小池百合子都知事=6日午後、都庁(桐原正道撮影)

 日本語で言えることをわざわざカタカナで言う必要があるのか-。河野太郎防衛相は3月24日の記者会見で、そう疑問を呈した。確かに最近、新型コロナウイルス感染症をめぐり、「ロックダウン」「オーバーシュート」「クラスター」といった聞き慣れないカタカナ語が飛び交っている。

 河野氏は、ロックダウン=都市封鎖▽オーバーシュート=感染爆発▽クラスター=集団感染-に置き換えられるとし、分かりやすい日本語で表現するよう厚生労働省などに申し入れた。

 一連のカタカナ語が注目されたのは、3月23日の小池百合子東京都知事の記者会見だった。「オーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ道」「ロックダウンなど強力な措置をとらざるを得ない状況がでてくる可能性がある」。感染拡大の危機感を都民と共有したいことは伝わってくる。専門家には日常的な言葉なのかもしれない。

 だが、未知のウイルスの脅威を、初めて聞くカタカナ語で表現されてもピンとこない。しかも、「爆発」の基準や「封鎖」の計画が具体的に示されないのだから、衝撃的なカタカナ語だけが独り歩きしてしまう。不安が膨らみ、スーパーマーケットに駆け込んでも仕方ないはずだ。

 前都知事の舛添要一氏はツイッターで「ロックダウンなどという言葉を軽々に使ってパニックを煽(あお)ってはならない」「ロックダウンの手法をきちんと固めているのか。それなしに、言葉だけ外国の真似(まね)をしても、都民は路頭に迷うだけだ」と批判した。

 かつて小池氏は「アウフヘーベン(止揚)」「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」「サスティナブル(持続可能性)」などの外来語を連発し、不評を買った。23日の記者会見でも、ロックダウン、オーバーシュートのほか、「ステークホルダー(利害関係者)」「ビジネス・アズ・ユージュアル(いつも通りの仕事)」などのカタカナ語を使っていた。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ