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【環球異見】コロナ禍の経済対策 トランプ米大統領、積極的に発信

 対立点の一つが乗客が激減して経営不安が浮上した航空業界などの企業支援策だった。野党・民主党は「大企業寄り」の経済対策に批判的で、安易な大手企業の救済に反発。与党・共和党との協議の結果、支援を受けた企業に議会の監視を導入したり、株主を優遇する自社株買いを制限したりすることで一致した。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)で元政府高官のウィリアム・ガルストン氏は、「(経済対策では)自社株買いを禁じるべきだ」と述べている。ガルストン氏は、大手企業が近年、借り入れを増やして自社株買いを進めてきたとし、結果的に手元資金を減らすことになったと指摘。危機対応の余力が乏しくなった企業の安易な救済策に疑念をのぞかせた。

 2008年の世界的な金融危機「リーマン・ショック」で、米政府は公的資金を投入して大手企業の救済に走った。大企業が「大き過ぎて潰せない(トゥービッグ・トゥーフェイル)」との理由だったが、危機収束後、大企業を優遇する政府や既存政党への不信が強まり、労働者重視を掲げるポピュリズム(大衆迎合主義)の土壌をつくったとも指摘される。

 金融危機を超える景気悪化が見込まれる今回の新型コロナ危機でも、経済対策を中心とした米政府や議会による対応が大企業などの「既得権者」優遇と映れば、ポピュリズム的風潮が加速する恐れもある。(ワシントン 塩原永久)

 □英国 フィナンシャル・タイムズ

 ■欧州中銀の戦略に厳しい指摘

 欧州中央銀行(ECB)は18日、国債などの資産を購入し市中に資金を供給する量的金融緩和策として、今年末までに7500億ユーロ(約90兆円)の資産購入を追加で実施すると発表した。ECBのラガルド総裁は自身のツイッターで、「われわれの権限の範囲内で、使える手段を最大限に活用することを決意した」と強調。新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化を食い止めるために全力を注ぐ方針を表明した。

 だが、ECBの対策への評価は厳しい。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は23日、7500億ユーロの追加購入に対して「(欧州の)上級政策立案者たちは、中央銀行の戦略が地域の深刻な経済危機を単独で直すことができるという幻想を抱いていない」と指摘。景気悪化を防ぐには不十分だと訴えた。

 欧州連合(EU)の欧州委員会は2020年のユーロ圏19カ国の実質成長率がマイナスになるとの見通しを示している。

 英紙ガーディアン(電子版)も19日の記事で景気への強い危機感を示した。現在の欧州の状況は、欧州債務危機の拡大で12年当時にECBのドラギ総裁が「できることは何でもやる」と市場介入を約束したときよりも、「経済的にも政治的にも危険だ」と分析した。7500億ユーロの追加購入は「特効薬にはならない」とその効果が限定的であると警鐘を鳴らした。

 欧州経済を改善させるには、中央銀行だけでなく、各国政府の対策が重要になる。欧州最大の経済規模を持ち、財政規律に厳格なドイツが経済対策として1225億ユーロを追加支出する方針を固めたことに関し、フィナンシャル・タイムズは23日の記事で「異例の措置」と評価した。

 ショルツ独財務相の「ドイツは今、巨大な財政の火力を必要としている」との発言を伝えながら、財政出動に消極的なドイツ政府でも経済対策の必要性を認識していることを強調した。

 英国の経済専門家は「中央銀行と各政府が連携して、経済政策を次々と出さなければ景気後退は防げないだろう」と指摘している。(ロンドン 板東和正)

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