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【日曜に書く】「赤ひげ大賞」と地域医療 論説委員・中本哲也

往診先の患者を診る釈舎龍三医師=1月23日、広島県大崎上島町(寺口純平撮影)
往診先の患者を診る釈舎龍三医師=1月23日、広島県大崎上島町(寺口純平撮影)

 3月13日に都内で開催予定だった「日本医師会 赤ひげ大賞」(主催・日本医師会、産経新聞社)の表彰式は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため延期となった。

 ◆24時間、365日

 地域に密着し住民の健康を献身的に支える医師を顕彰する事業として、赤ひげ大賞は平成24年に創設された。

 8回目を迎えた今回、大賞に選ばれた5人の中に、釈舎(ときや)龍三医師の名前があった。29年秋に他界した母の在宅医療でお世話になった。

 瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ大崎上島(広島県豊田郡大崎上島町)で、昭和の初めから三代続く「ときや医院」の理事長を島の人たちは「ときやの先生」と呼んでいる。

 27年秋、ときや医院で診察を受けた母はステージ4の肺がんと宣告され、自宅で医療を受けることを望んだ。容体が急変すると、ときやの先生は深夜でも往診にきてくれた。

 「24時間、365日いつでも診察する」ことを信条に、在宅医療にも取り組む「ときやの先生」がいてくれたから、私は妹とともに母を自宅で看取(みと)ることができた。

 極めて個人的なことではあるが、改めて感謝の思いを記したい。全国各地の赤ひげ先生、地域医療を支えるすべての人たちに対し、敬意を表すことにもなると思う。

 ◆離島の「宝」

 大崎上島は本州や四国と橋で結ばれていない。人口は約7400人で、島民のほぼ半数が65歳以上の高齢者だ。

 筆者が島を離れた42年前に比べると人口は半減したが、医療の比重は大きい。「ときや」など5つの医院が、離島の医療を担う。

 高度な医療が必要な場合は島外の病院に頼るしかない。そして、島民たちは長い間「自宅で最期を迎えたい」という思いを胸の奥にしまってきた。20年代半ばまでは、在宅での医療・介護を支える仕組みが大崎上島にはなかった。

 24年に高齢者や障害者の在宅医療・介護を支援する「サポートおおさき」が開設され、町も26年度から在宅医療推進拠点事業に取り組んできた。

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