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ニュース コラム

【直球&曲球】春風亭一之輔 匿名でつっかかってくる人

 当方、どうも『不要不急』な職業のようで2月末から仕事のキャンセルがひっきりなし。同業者のほとんどが同じ状況だ。これでは生活もままならない。

 もっとも、ハナから食えないのは承知でなった商売だから、誰に文句も言えないのだが。落語家だけでなく、落語に関わる「カタギ」のイベント関係者はそうも言ってられない。

 「自粛要請」に従い、大事をとって落語会の中止を決める主催者もあれば、予定通り開催する会もある。3月上旬に私の独演会が国立演芸場で予定されていた。国立主催公演はみな中止になったが、私の会はいわゆる「貸し小屋」公演なので、主催者に開催有無の決定権がある。

 主催の某社は「やりましょう」と言う。関わる落語会は軒並み中止らしい。チケット払い戻し希望者には払い戻し、マスク着用・消毒液完備・換気の徹底で開催することにした。

 SNSでその旨を公表するとすぐに「もしなにかあったらどう責任をとるつもりだ?」との反応があった。この非常時に非常識だ、ということらしい。チケット購入済みの人ではない。私の会によく来る人でもないようだ。完全なる通りすがりの第三者が目くじらを立てて正義の味方然としてつっかかってくる。SNSで。匿名で。遠くの方から石を投げてくる。

 バカ言うなよ。「どう責任をとる」だ? こちらは頭をひねって最善の策をとってやろうとしてるんだ。文句だったら「自粛要請」とかあやふやなこと言って、自己責任をこちらに押し付けてくる偉い人に言ってくれ。

 世間の空気がどんどんそっちの方に流れていくのをヒシヒシと感じるよ。中止するのもアリなら、開催するのもアリ。どちらも悪くない。もちろん来ない権利もお客さんにある。

 そこいくと都内の寄席は今まで通り、開いてる。で、お客さんが来る。かなり減っちゃったけどまだ来てる。で、笑ってる。マスクして、隣と間隔をとって、注意しながら笑ってる。早くのんきに笑ってもらいたいよ。

                  ◇

【プロフィル】春風亭一之輔

 しゅんぷうてい・いちのすけ 落語家。昭和53年、千葉県生まれ。日大芸術学部卒。平成13年、春風亭一朝に入門して朝左久、二つ目昇進時に一之輔を名乗る。24年、21人抜きで真打ちに抜擢(ばってき)。古典落語の滑稽噺を中心に、人情噺、新作など持ちネタは200以上。

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