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【風を読む】国難に「平時の国会」はいらぬ 論説副委員長・榊原智

衆院予算委員会・集中審議で答弁を行う安倍晋三首相(右)=2月26日、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
衆院予算委員会・集中審議で答弁を行う安倍晋三首相(右)=2月26日、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)

 新型コロナウイルスの国内感染拡大は、安倍晋三首相と政府の真価を問う事態となっているが、それは国会も同様だ。国民の役に立つ存在であるかが試されていることを、全ての国会議員と政党は銘記すべきである。

 首相は2月29日の記者会見で、新型ウイルスへの対応を「戦い」と表現した。今は平時ではないということである。「国難だ」と発信すれば一層わかりやすかったと思う。

 安倍政権の従来の対応は後手に回った感が否めないが、今は挽回のときである。首相や政府をきちんと働かせるには、国会の対応も重要となる。

 首相や菅義偉官房長官、加藤勝信厚生労働相ら閣僚と政府関係者に、事態に対処する「時間」を与えなければならない。参院で令和2年度予算案の審議が始まった。通例なら首相ら閣僚は朝から夕方まで国会に縛り付けられるが、それを何日も続けていいのか。

 衆院審議の前半、新型ウイルスがほとんど論じられなかった。その後も、河野太郎防衛相による、国会運営へのもっともな嘆きが退けられた。

 河野氏は2月26日、衆院予算委について「なぜか防衛大臣は質問通告がなくとも座っていなければならない『張り付き』とされ、4時間ずっと座っていたが、質問は1問もなし。昨日の夜の時点で、既に質問通告が1問もないのが判ったのだが、4時間黙って座ってろ、と。仕事したい」とツイッターへ投稿した。

 出席は与党が決めたことで、野党の抗議を受け河野氏は訂正表明させられた。与党が野党に過剰な配慮をする慣行を当然視した「平和ぼけ」を国会が露呈したことになる。

 参院は、予算審議の短縮や首相を含む閣僚出席の思い切った削減、副大臣による答弁を工夫したらどうか。漫然と前例踏襲の運営をしてはなるまい。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法を今回発動しないのは解せないが、同法の改正措置をとるなら、与野党は最大限協力すべきである。

 安倍政権の一連の対応への追及をしたければ、事態が一段落してからすればいい。今は敵意丸出しの質問よりも、迅速な立法と提案型の質疑を心がけるべきであろう。国難に際して「平時の国会」を許す余裕はない。

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