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【新聞に喝!】誤った日本イメージまたも インド太平洋問題研究所理事長・簑原俊洋

米国行きの航空機に乗るクルーズ船乗客ら=2月17日、東京・羽田(動画より、Cheryl and Paul Molesky ・AP)
米国行きの航空機に乗るクルーズ船乗客ら=2月17日、東京・羽田(動画より、Cheryl and Paul Molesky ・AP)

 連日の新型肺炎関連ニュースでうんざりされている読者もおられるであろうが、本欄で連続3週この問題を取り上げることをお許しいただきたい。それだけ今回の問題は深刻だからである。新型コロナウイルスの致死率は今のところ際立って高いわけではないが、未知の病気は当然恐怖心をあおり、それによって醸成されたパラノイア(偏執病)は報道の集中砲火という形で激しく炎上しているのは周知の通りだ。

 事態が深刻な理由は、この規模の危機ですら日本政府が機敏かつ能動的に対応できず、とりわけ海外メディアの誤情報やヒステリアに基づいた報道に対して適切に対処できていないからである。

 想起されるのは東日本大震災だ。その時筆者は、「命が危険にさらされている。一刻も早く日本から逃れる必要がある」と悲壮な表情で視聴者に訴えるドイツのテレビ記者を見て目を疑った。彼の報道現場が大阪の難波だったからである。当時関西に居住していた者として断言したいのは、命の危険性は皆無で、被災者には申し訳ないが、ふだん通りの生活が続いていたということだ。しかし、ドイツでこのニュース報道を見た人たちの多くはそんな状況など知るはずもなく、あたかも日本列島全てが放射能汚染にあえいでいるとの結論に至っても無理はなかった。

 同様に、今回も一部無責任な海外メディアの報道により-「ダイヤモンド・プリンセス」号での初期対応のまずさが原因の一つともなっているのも事実だが-あたかも全日本列島が病原菌に汚染されているとの事実無根の印象を与えてしまっている。9年前の震災(特に福島第1原発事故関連)の教訓は何だったのか。情報に関して言えば、可能な限り正確な事実を、透明性をもって速やかに行わなければならないということ、さらに国内はもとより、情報は英語やその他の言語で広く対外的に発信される必要があるということだったはずだ。

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