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【記者発】視聴率以外の「ものさし」 大阪文化部・渡部圭介

 1月下旬、NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の初回放送のツイッター上の反応をまとめた記事を書いた。一定の時間内に投稿された約2万件の関連ツイートを、AI(人工知能)を活用したグーグルの文章解析プログラムを使い感想を点数化。それを集計して「7割が高評価」と示してみた。

 社外からも問い合わせがあったと聞き、驚いたというのが正直なところ。なにせ大学(文系学部)時代、留年しそうな不安を紛らそうと始めたプログラミングの知識を使った分析原稿だったので。一方で、ちょっとうれしい。

 「ネット反応」記事というと、ツイッターなどのSNS(会員制交流サイト)を巡回し、目についた意見を拾う手法が手軽かつ速いのだが、ネット上にあふれる「まとめサイト」の二番煎じになりかねない。そういうものとは違う、ちょっと手間をかけて新聞社らしい、新しいところを見せないと…などと思案しながら書いた記事でもある。

 そして、視聴率以外の「ものさし」で番組の評価を見たいという好奇心があった。視聴率の基本はテレビで見た人の数。特に放送局が重視する放送時間中の視聴者数を示す「リアルタイム」視聴率は、いち早く生で見たい視聴者心理を表し、番組を評価する上で変わらぬ重みがある。社会の関心の方向や、公共の財産である電波の使われ方をみられる面もあると思う。

 しかし、放送各局は自局のサイトなどを通じ、放送終了後の番組の一部をインターネットで配信している。外部の有料動画配信サービスを使えば、過去にさかのぼって視聴することもでき、電車の中でスマートフォンやタブレット端末で見ている人もよく目にするようになった。

 番組そのものの視聴方法が多様化した中で、番組の評価や話題性など視聴率で読み取れないことを読み取る方法はないだろうか。記事にはそんな思いを込めつつ、ある放送局内を歩いていて番組名と「視聴率××%達成!」などと書いた紙を目にし、やや分不相応かもしれない願いも芽生えた。視聴率以外の「ものさし」が、制作現場の人々の心を支え、見たこともない素晴らしい番組づくりにつながればいいなあ、と。今後も番組評価の知恵を絞りたい。

【プロフィル】渡部圭介

 平成13年入社。水戸、福島、京都の各総支局を経て大阪社会部で行政や警察を担当。29年に文化部。昨年9月から在阪放送局の取材を担当。

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