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【新聞に喝!】新型肺炎 改めて問われる中国との距離 ブロガー・投資家・山本一郎

 マスクをした子ども=13日、北京駅(共同)
 マスクをした子ども=13日、北京駅(共同)

 中国・武漢で発生したコロナウイルス禍については、日々刻々と感染者数や死亡者数が報じられ、横浜港のクルーズ船では日本に上陸もかなわないまま大量感染が報じられました。産経新聞でも大きく「【新型肺炎】自衛隊がクルーズ船でも生活支援」(「産経ニュース」6日)と一連の感染拡大を報じています。

 一方で、日本の疫学を専門とする医師らが、具体的な感染の状況や治療の経緯などから、軽症者が比較的多い本件新型肺炎は、きちんと管理すれば季節性インフルエンザなどの感染症と比べそれほど危険性はないのではないかという見解も多く打ち出されるようになりました。もちろん、持病のある方や高齢者にとっては大変重篤な症状が出て命の危険があることも間違いないのですが、危険をあおり、恐れすぎることによる弊害もあります。新聞報道として、問題を正確に認識し、あおらずに、正しく知って正しく恐れるよう国民に呼びかける責務を負っている、といえましょう。日本国内でも二次感染が確認されましたが、感染症は完全に水際で防げるものではなく、感染拡大を遅延させる効果を持つにすぎません。一定の患者が日本でも発生することを前提に、落ち着いて行動する必要があります。

 世界的に新型肺炎の拡大が恐れられるなか、米国ではインフルエンザの大流行による死者が1万人を大きく超えました。新型肺炎がどこまで感染拡大するのかは予断を許しませんが、感染者に対する差別・迫害や、中国人、アジア人に対する忌避にまで発展することは避けなければなりません。現段階では中国人にリスクが大きいとはいえ、中国人全体を排斥するような行動は慎むべきです。米中対立の激化や、昨今の尖閣情勢、香港や台湾、ウイグル・チベット問題なども視野に入れつつ、中国との適切な距離感と信頼感を確保することが大事ではないかと思います。

 感染拡大が一段落すると、今度は中国人観光客の大幅減少による日本の地方都市の観光業へのダメージや、一時的には確実に減速する中国景気で日本企業の対中輸出が大きく目減りし、消費税が上がったばかりの日本経済に良くない影響を及ぼす問題への対応が問われます。観光への依存が高かった地方では金融機関への負担も大きくなる一方、失業や廃業・倒産に対する手当てを進めていかなければならず、中国に経済的、文化的に依存が深まっている中で日本のかじ取りをメディアがしっかり見定めて警鐘を鳴らしていく必要があるでしょう。

                   ◇

【プロフィル】山本一郎

 やまもと・いちろう 昭和48年、東京都出身。慶応大卒。専門は投資システム構築や社会調査。情報法制研究所上席研究員。

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