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【風を読む】もっと国のこと教えよう 論説副委員長・沢辺隆雄

 「そういえば、今月は国について考える日が多いな」と、大先輩がつぶやいていた。11日の「建国記念の日」はもちろん、国民の祝日ではないが7日は「北方領土の日」だった。22日には「竹島の日」を迎える。

 こうした日の意義を学校教育で、しっかり教えてきたか顧みると、心もとない。自分が小学生のころを思い出すと、明治生まれの祖母は「建国記念の日」には親しんだ、もとの「紀元節」を使い、その日の由来を教えてくれた。学校で「紀元節」などと口にすれば、先生から白い目で見られるのが常だった。祖父母の世代から親、子へ伝える機会も少なくなっている。

 古事記や日本書紀などに書かれた神話や伝承は、先人の国造りの思いなどを伝える貴重な遺産だが、戦後、米軍占領下で学校教育から遠ざけられた。

 教える意義が見直され、例えば中学の社会科の学習指導要領で「神話・伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰やものの見方などに気付かせるよう留意する」と盛り込まれたのは、平成10年の改定時、もう約20年前のことだ。しかし実践には遠い。

 愛知県の市立中学校の校長がブログで、「建国記念の日」が神武天皇の即位の日にちなむことなどを紹介したところ、批判を受けたことがある。校長は、仁徳天皇が、かまどの煙を見て人々の暮らしを思う「民のかまど」の話も紹介していた。治世で何が大切なのかなど、現代に通じる物語が理解されないのは、どうしたことなのか。

 勇気や正義を教えるはずの桃太郎のような話も改変され、「退治される鬼の立場になって考えてみよう」などと、いじめや戦争について考える“教材”として利用される例がある。

 1月下旬に行われた日教組教研集会の授業実践報告(リポート)を見ると、日本の安全保障法制などに対し「戦争の足音が聞こえてくる時代になってしまった」などと嘆きの言葉をつづる教員が相変わらずいる。

 日本固有の領土である北方領土や竹島をめぐる歴史を教えず、不法占拠されている現実から目を背ける。戦後教育を受けた教員が、日本の悪い所ばかり強調する悪しき連鎖を断ち、わくわくするような日本の物語をもっと教える機会を工夫したい。

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