PR

ニュース コラム

【論壇時評】2月号 「100年後の日本」に論壇は? 文化部・磨井慎吾

 文芸春秋も新春特別号として、「世界の知性が日本人に教える二〇二〇年の『羅針盤』」と題した未来予測特集。ジャレド・ダイアモンド、ポール・クルーグマンらビッグネームが並び、興味深い内容も多いが、グローバルな歴史学者にわざわざ現代日本の政策論を語らせるようなものはどうにも凡庸な内容にしかならず、つまらない。

 新刊『21世紀の啓蒙(けいもう)』(草思社)が話題の心理学者のスティーブン・ピンカー「人類は未来にもっと期待すべき」は、政治、環境、技術などに関するいたずらな脅威論を退けた上で、人類史を通じて世界はどんどん良くなっているというビジョンを提示し、「過去と現在を比べ、データで現在の状況を冷静に判断しましょう」と理性と科学への信頼を訴える。現状批判と悲観主義が主流の「人文系」界隈(かいわい)の基準ではどうも神経を逆なでするような内容だが、突き抜けた聡明(そうめい)な楽観主義は年の初めを飾る読み物として随一の面白さだった。(敬称略)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ