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【朝晴れエッセー】四季の家・1月23日

 私の家の中は一年中四季がある。春夏秋冬と、四季の衣服が全て、すぐ間に合うようにぶら下がっている。3つある洋服箪笥(たんす)は全てからっぽである。

 姉に話すと、だらしないからやめときと言ったが、私はそうは思わない。外出するとき即間に合うから便利である。

 もちろん、ちゃんと手入れをしてぶら下げているから、迷うこともない。家の中は広々として、私一人住まいだと寂しいから、ぶら下げ式のを3つ買って、外出着と普段着を分けて使っている。

 8畳の間が3つ続き、6畳の間が2つ、来客があると応接間が6畳と炊事場と浴場がかなり大きい。それに2階があるが全く手が回らない。

 主人が逝って10年近く、息子たちは自分で新築して離れていって、私は一人住まいだ。かわいかった孫は皆成長して、おばあさんは孫たちからよそ者扱いになった。というより、自分の職業や都会の大学へ行って、おばあさんとは幼かった頃のようにくっついておられない。

 だから孫が来ると、私はどの子にも思いっきり抱きつく。男の子だと腰のあたり、嫌がりもせず頭を撫(な)でてくれる。女の子だと背丈もあまり変わらないから、がっぷり抱き合う。

 少女の香りがする、涙を誘う花の香りだ。

 皆、成長して社会へ出ていく。祝ってやらなければと思うがやはり寂しい。

 願わくば私の家に来てほしい。そうすれば私の家の四季は消えてしまう。本当はそれを望んでいる。願いがかないますように…。

光木里子 85 広島県尾道市

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