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【主張】新型肺炎 中国は正確な情報開示を

 中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が日本でも初めて確認された。

 神奈川県在住の30代中国人男性で、武漢市に滞在後に日本に戻った。武漢市在住の父親も発症しており、人から人へと感染した疑いが強い。

 タイでも中国人観光客の感染が判明した。にもかかわらず、中国国内での発症者は、交通の要衝で人の往来の活発な武漢市を中心に限定的だ。これでは情報を正確に伝えているかどうか疑われても仕方あるまい。

 発生現場となった中国当局は責任をもって事実関係を公表し、アジア各国への感染拡大を防ぐ努力をすべきだ。

 新型コロナウイルスの患者はこれまでに43人が見つかった。武漢市の海鮮市場の関係者に多い。2人が死亡している。

 想起されるのは、2002年に発症者が出始めたSARS(重症急性呼吸器症候群)における中国当局の対応だ。

 情報公開や対策が大幅に遅れたことで、中国本土と人の往来が密接な香港や台湾をはじめとした世界各国・地域に感染が拡大し700人以上が死亡したとされる。

 今回、中国外務省は世界保健機関(WHO)や関係国に積極的に情報を提供しているというが、額面通りに受け取れない。中国では近年、市民のパニックや当局への反発を押さえ込むため事件、事故や災害報道を規制する傾向が強まっているのも懸念材料だ。

 今月下旬には旧正月を祝う春節で、中国国内外で人の往来が活発となる。今夏には、オリンピック・パラリンピックを控える。適切な対応策を講じるためにも、正確な情報は欠かせない。

 今回、新型肺炎感染者の入国を許してしまったが、水際での防疫強化も喫緊の課題だ。男性は出国前に解熱剤を飲んでおり、外部から体温を測るサーモグラフィーに引っかからなかった。

 中国当局には日本向けの航空機について、発熱が疑われる乗客にこれまで以上にきちんと自己申告させるなど、注意喚起を促すよう求めていく必要がある。日本政府は中国当局に対し、情報開示を求めるとともに自らも入国管理を強化すべきだ。

 感染症は一国だけの問題ではない。関係各国が連携して対処し、感染拡大を防ぐ責任を果たさねばならない。

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