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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】あれから25年・1月16日

 今年の正月は実に楽しかった。

 息子夫婦が昨年の8月に生まれた孫を連れて帰ってきたのである。ハイハイはしないものの、孫の豊かな表情と細かな動きに皆で一喜一憂した。

 特に初めての寝返りをしたときは、大喜びとなり、思わずスマホで撮影してしまった。

 そんな孫と遊ぶ息子を見ていると、私が父親になったときのことや、今は亡きおやじが孫を抱いてうれしそうに微笑む姿が思い出された。

 25年前の阪神淡路大震災のとき、屋根は崩れなかったもののわが家は全壊となった。電気、ガス、水道の止まった真っ暗な部屋で、一本のペンライトで余震におびえながら陽が昇るのを待った。

 このペンライトは、初詣に行った長田神社で、当時幼稚園年長の息子が、出店のくじ引きで引き当てたペンライトである。息子の小学校の入学式は、崩れた校舎を建て替え中で使えなかったため、近くの集会所で行われた。不憫(ふびん)さを感じるとともに、皆さんから大変よくしていただいた。「こんなことで負けへんで」と覚悟した。

 あれから25年。息子の入学、卒業、下宿生活、就職、結婚と多くのことが走馬灯のようによみがえってくる。神戸の街の復興とともに歩ませてもらえた。

 ただ、3年前に他界したおやじに、孫を見せてやりたかった。生命の有限性、連続性、必然性を感じながらも、なぜかおやじの微笑んでいる姿が出てくるから不思議なものである。

白川友彦 60 神戸市須磨区

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