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【スポーツ茶論】サウジ政権にあらがう選手の良心 黒沢潤

 イスラム教が勃興し、世界史を揺るがす舞台にもなってきた中東。近年、その地に作られたゴルフコースの美しい「緑」と、周囲の砂漠など「茶」のコントラストを目にするたびに、どことなくエキゾチックなものを感じる。

 それを特に思うのがエジプトの首都カイロにある「GSCゴルフコース」だ。エジプト文明を育んだナイル川の中州にあり、外交官や海外駐在員が住む一等地に隣接する。

 周囲は、世界遺産のピラミッドにほど近い砂まみれの地なのに、西欧人とおぼしき初老の男性がパターとともに立つグリーンはまばゆいほど美しい。「アラブの春」勃発に伴い2011年3月、出張したリビア東部ベンガジから、カダフィ政権の空爆を恐れカイロに逃げ帰った際に見た「平和で静寂なグリーン」だっただけに、コントラストを余計、感じたのだった。

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 そうした独特な雰囲気も持つ中東でプレーしたいと考えるゴルファーは少なくない。右利きだった父のスイングを幼少時に反対側から見てレフティーになった米人気選手、フィル・ミケルソンもその一人だ。ただ、石油王国のサウジアラビアで今月に開催される欧州ツアー「サウジ国際」に出場することに、米国で批判が渦巻いている。サウジ政権批判で知られたジャマル・カショギ記者が18年秋、トルコ内のサウジ公館で殺害されたことをめぐり、「残忍な殺人を計画したのはサウジ当局だ」と国連などが政権に集中砲火を浴びせているからだ。

 「腐敗政権から金をもらって出場するより、やることがあるだろう。頼むよフィル」。ネット上は批判の嵐だ。タイガー・ウッズは推定3億円超の招待金を蹴って出場を辞退しただけに、差が際立つ。

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