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【一筆多論】「それなりに」では物足りぬ 長谷川秀行

 日本が過去に結んだ2国間協定では国が指定した第三者機関が原産地証明書を発給する決まりだった。ところが最近は、企業自らが原産地証明を行う自己申告制度が世界的な潮流で、TPPや日欧EPAではこちらを採用している。

 国の認定が不要な分、企業の手間を短縮できる利点があるのだが、自前で証明できる態勢が整っていない企業にとっては、不安が先に立つのも仕方がない。

 特に、工業製品の原産地証明にはいくつかの仕組みがあり、対応するための準備には時間を要する。この負担を考えれば、よほど大きな利益を得られるという確信がないかぎり、手を出しづらい面はあろう。

 もっとも、多くの部品を使う工業製品とは異なり、牛肉や野菜などの農畜産物は日本産だということを証明しやすい。しかも関税を即時撤廃する品目が多いため、輸出すれば即座に最大限の恩恵を享受できる。欧州向けの食品輸出が伸びた背景にはこうした事情もあるようだ。

 この流れを工業製品にも広げていくことが大事である。そのためにも両協定をうまく活用している成功事例を集めて横展開を図るなど、海外進出を検討する企業を後押ししたい。政府には、その取り組みを強めてほしい。

 せっかく2つのメガ協定を発効させたのである。企業の使い勝手を良くすることが第一だ。(論説副委員長)

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