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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】志づばあちゃん・1月13日

 私の祖母は名前を志づといい、ポスターになったほどの器量よし。震災も戦争も生き抜いた明治女だった。

 しかし、この志づさん。なかなかのくせ者。

 私はよくつねられた。口で叱らずいきなりつねる。子供心に根性悪だなあと思った。私は生まれてこの方、他人をつねったことがない。

 ご飯はたくさん炊く。残ったぶんは酢飯にした。なんで食べるぶんだけ炊かないのか不思議だった。

 私の名前も付けた。安子。

 よく「安い子、安い子」とからかわれた。なんでこの字なの?と聞いたら、「女が冠をかぶったら女王様じゃないか」と言われた。恥ずかしくて他人に言えない。

 新聞を読んでいたら、「女は読む必要がないから読むな」という。以来、毎日隅から隅まで読む。

 1月2日が誕生日。学校も会社も休みで、家でも祝ってもらったことがない、と言えば、「世界中でおめでとう、と言ってくれてるじゃない」と言った。アホらし。

 志づばあちゃん。1月2日がやってきました。年金を受給する年になりましたよ。

 安心の「安」は大好きな字です。3年前に主人が亡くなって以来、息子が2日に開いているケーキ屋さんを探して祝ってくれるようになりました。

 私はまだ、祖母にはなれてません。

三島安子 65 埼玉県川越市

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