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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】お弁当箱・1月12日

 結婚してから、当直で家に帰らなかったとき以外は、毎日、家内の手作りお弁当を持って行っていました。いわゆる「愛妻弁当」です。家内の手作りのかわいいお弁当袋に入っていました。

 車で通勤していたときは、保温の効くランチジャーでしたが、電車で通勤するようになってからは、軽いお弁当箱に代わりました。2段でご飯とおかずが別々に入るものや、1段で仕切りがあるものなど色々です。子供たちもお弁当を持っていくようになり、お弁当箱も増えてきました。中学、高校と子供たちのからだが大きくなるにつれて、お弁当箱も大きく、さらに数も増えてきました。

 しかし、家内が亡くなってから、お弁当箱たちの出番はなくなってしまいました。台所の棚の上にずっと置かれたままです。

 昨年、息子が大学受験をしたとき、コンビニのお弁当ではかわいそうだと思って、お弁当を作りました。卵焼きを作ったり、冷凍食品の唐揚げを「チン」したり、スーパーで買ったお総菜を詰めたりして、何とかお弁当らしきものを作りましたが、息子には不評でした。家内のようにはうまく作れません。

 また今年も受験の時期になってきました。お弁当箱たちは、また自分たちの出番がやってくるのを、今か今かと待ち望んでいるように思えます。しかし、受験生の親としては、今回で彼らの出番がなくなることを願うばかりです。

 息子が結婚して、お嫁さんにお弁当を作ってもらえるようになって、また「愛妻弁当」で登場するまで、今回で君たちの出番はしばらくお休みにしてもいいかな。

菊池 知之 64 医師 大阪府八尾市

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