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【主張】養育費基準改定 離婚時の取り決め常識に

 夫婦の離婚は、子供には何の責任もない。親の争いのツケを子供に負わせてはいけない。

 最高裁の司法研修所が養育費の算定基準を16年ぶりに見直した。夫婦の収入、子供の年齢、人数などに応じて支払うべき養育費の目安で、世帯によっては月1万~2万円の増額となる。

 別れる夫婦が養育費の取り決めの参考にしたり、家庭裁判所の調停で使われたりする。

 離婚は減少傾向ではあるが、それでも年間20万組を超える夫婦が離婚を選ぶ。このうち未成年の子供のいる夫婦が6割を占める。

 離婚後も、離れて暮らす子供の養育に親が責任を持つのは当然である。別れた夫婦に所得の差があればなおさらだ。民法は、子供や配偶者に自身と同程度の生活水準を保障する義務を定めている。

 ところが、離婚時に養育費の取り決めをしている夫婦は半数に満たない。まず取り決めをして、これが確実に履行されるよう文書にすることを常識としたい。

 厚生労働省の平成28年の調査によると、母子世帯の平均総所得は約270万円で、子供のいる一般的世帯の4割弱にとどまる。養育費の取り決めがないケースだけでなく、約束があっても支払いが続かない事例もある。このため養育費を実際に受け取っているのは母子世帯全体の24%にすぎない。

 夫婦が話し合って額を決めるのが筋だが、離婚時に建設的な会話が成り立たないこともあろう。国の委託で、養育費に関する相談をメールや電話で受ける「養育費相談支援センター」がある。自治体によっては専門相談員がいるところもある。制度の周知と充実を図り、活用を促すことが重要だ。

 冷静に話し合えないなら、調停や裁判に委ねる方法もある。いったん金額を決めた後でも、払えない正当な事情や、養育に必要な額が不足する十分な理由が生じれば、変更することも可能だ。

 支払いが確実に続くよう公的機関や第三者機関が仲介することも検討すべきである。兵庫県明石市は、養育費の受け取りを支援するパイロット事業を行っている。市の委託した民間保証会社が不払いの養育費の督促などを行う。一歩踏み込んだ取り組みといえる。

 夫婦は別れられるが、子供にとって父親であり、母親である事実は変わらない。子供を貧困に陥らせないことが第一である。

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