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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】将来の夢・1月6日

 「出た~、16文キック…、覆いかぶさってカウント1、2…あっ」

 おなじみ昭和時代のプロレス中継でアナウンサーが発する決まり文句だ。

 毎週金曜のプロレス中継は、みんなでコタツから声援を送った。

 「それ行け!」「早く早く!」。テレビに向かって一番声援を送るのは祖母である。

 「あまり熱中すると血圧が上がるよ!」と、父が祖母を心配する。日本チームが勝利を収めると、金曜夜の茶の間はお開きとなる。

 時は流れ、私は結婚。平成の時代を経て令和の御代を迎えた。今は子供たちも独立し、孫にも恵まれ、平和で平穏な日々を妻と過ごす中、たまに昭和のわが家を思い出す。

 プロレスの外国人レスラーは、祖母にすれば2人の息子を戦争で殺した米国であり、外国人レスラーを米国と見立て、必死に応援していたのだ。

 私が小1のとき、家が火事で燃えた。家は保険には入っておらず、両親は大きな苦労を背負った。戦死者の遺族年金も当てにできず、貧農を耐えた。そんな昭和の記憶が時々蘇(よみがえ)る。戦後生まれの私は戦争を語れないが、戦後を引きずり、貧しく過ごした時代を伝えることができる。

 だから、遠方で暮らす孫にスマホ決済アプリで電子マネーの小遣いを送り、クラウドに記録した私の昔話を聴いてもらおうと思う。

 それが私の将来の夢である。

沢田 光広 58 岩手県二戸市

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