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【日曜に書く】論説顧問・斎藤勉 「神畏れる国」「神をも恐れぬ国」

 翻って、日本はいま、「神をも恐れぬ所業」に血道を上げる独裁国家に囲まれている。

 国内では100万人規模のウイグル民族を強制収容所で迫害し、洋の東西で借金漬けにした国々から港湾などを乗っ取り、日本各地の領土を虎視眈々と狙い、密(ひそ)かに買収する中国。極貧の国民を弾圧し、核・ミサイル開発に狂奔する北朝鮮。北方領土に居座り続けるロシア。その中露は軍事的提携を強めている。

 令和の御代替わりの主要な祭事は終了したが、今後は周囲の独裁国家との長く辛抱強い闘いが待ち受けている。しかし、昨年来の国会は季節外れの「花見論戦」に明け暮れ、「安全保障こそ最大の福祉」との国益の要諦を忘れて脳死状態にある。

 ◆漫画が続々と独裁体制批判

 一刻も早く憲法9条の改正と軍備強化を急ぐべきだが、一方で、心強い動きも出始めた。独裁国家糾弾の戦列に、既存のメディアに加え、長期低迷の出版業界でもひときわ元気な漫画が参入したことだ。活字だけでは、平和ボケの日本で、特に令和を担う若者には共産党独裁国家の正体は理解されがたい。

 河出書房新社は昨年12月末、村上春樹氏の恋愛短編『螢』とジョージ・オーウェルの近未来長編『1984』をいずれも漫画化して一冊に合体した書籍を出版した。後者は元々、旧ソ連のスターリン恐怖体制をモデルに、現在の中国を先取りしたかのような全体主義・超監視国家の残忍性を描いたバイブル的作品だ。漫画作者はともに森泉岳土氏。無関係にみえるこの2作だが、村上氏の作品にオーウェルを意識した「1Q84」があることも合体の理由という。

 習近平政権下でのウイグル人の民族浄化を思わせる惨状をネットで発信した漫画家、清水ともみ氏の話題作『私の身に起きたこと~とあるウイグル人女性の証言』は中国当局と対決している香港、台湾で真っ先に注目された。米有力紙誌等に転載され、ウイグル語、中国語、トルコ語にも翻訳されて国際的反響が広がりつつある。雑誌『正論』に長期連載中の中国独裁体制批判の4コマ漫画『それ行け!天安悶』は単行本の第2弾がこれも12月に発売された。

 今春来日する習近平氏が天皇陛下に会見する「国賓」としてなぜ相応(ふさわ)しくないのか。「神をも恐れぬ国」の罪業の底深さはわが皇室の「畏れ」を冒涜(ぼうとく)するからだ。(さいとう つとむ)

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