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【記者発】札幌…百聞は一見にしかず 運動部・丸山和郎

マラソン・競歩の会場となる札幌市
マラソン・競歩の会場となる札幌市

 令和2年。いよいよ東京五輪・パラリンピックの年が幕を開けた。昨年夏以降、各競技で続々と日本代表選手が内定し、機運が高まる中で騒動が起こった。国際オリンピック委員会(IOC)が突如決めたマラソン・競歩の札幌移転問題だった。

 日本の陸上界にとっては「寝耳に水」の話であり、陸上関係者を取材するたびに“恨み節”が聞こえてきた。昨年9月15日に東京都内で開催された「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で終盤の上り坂をどう克服するかをイメージしていた選手も多い。女子で優勝した前田穂南(ほなみ)選手(天満屋)を指導する武冨豊監督は「本音をいえば、新しい国立競技場にゴールさせてあげたかった」と話す。それが陸上関係者に共通する思いだろう。

 ただ、選手や指導者の目はすでに五輪本番に向いている。紆余(うよ)曲折があったとはいえ、日時やコースも決まり、あとは最善の準備をしていくだけだ。日本陸連の河野匡(かわの・ただす)・長距離・マラソンディレクターは「(毎年8月開催の)北海道マラソンの経験上、暑くなることも考えられるし、涼しくなる場合もある。最近は1週間前から当日の天候が細かく読めるので、きっちりと準備をしたい」。ウェザーニュースなど活用できるものは最大限に生かしていく考えだ。

 そう聞くと、便利な世の中になったものだと思う。ただ、札幌でのマラソンコースをめぐって、IOCや世界陸連、大会組織委員会の間で交渉が続いていたころ、日本陸連幹部の1人から気になる話も聞いた。「IOCや世界陸連は最新のグーグルマップを使って、札幌のコースを今、必死に調べているそうだよ」

 札幌は冬に除雪車が走る影響で、路面が少しえぐれているという話も耳にする。コースが最終決定する直前にIOCや世界陸連などの合同の現地視察はあったが、形式的だった印象は否めず、果たして路面の状況は把握できているだろうか。それぞれの思惑が交錯し、前半は20キロを1周、後半は10キロを2周する変則的なコースに決まった。

 百聞は一見にしかずという言葉もある。日本代表選手は、ぜひ自分の目でコースを入念に下見してレースに臨み、地元開催の利を十分に生かしてほしい。

 平成10年入社。16年から東京運動部でプロ野球巨人、20年から大阪運動部で主にプロ野球阪神や陸上競技を担当。夏季五輪を2度取材した。

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