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【朝晴れエッセー】ゴッホ魂の色・1月4日 

 ああ、もっと懸命に生きなければ、と思った。

 絵画を見て魅了されたことはあっても、力をもらったのは初めてだ。東京・上野の美術館で開催中の「ゴッホ展」を鑑賞して、私の心は大きく揺れた。

 数年前にゴッホの作品を初めて見た。「糸杉」の独特の筆遣いに惹(ひ)きつけられた。以来、ゴッホの絵をまた見たい、と願ってきた。

 展覧会へは、自分なりに資料に目を通し臨(のぞ)んだ。作品と解説でゴッホの生涯に触れる。孤高の天才のイメージを持っていたが、そうではなかった。私の中で、不器用でがむしゃらに生きた求道者の人物像が浮かび上がった。

 画業10年、37歳で亡くなったゴッホだが、オランダのハーグ、パリ、南仏アルルと移り住む中で多くのものから学び、最後の最後まで自分の絵を究(きわ)め続けた努力と執念の人生は胸を打つものがあった。

 このところ私は、還暦まであと3年となり、第二の人生をどう生きていこうか思案していた。だが、ゴッホとの出会いで腹が決まった。

 自らの殻に閉じこもるのは止めよう。積極的に人やものと交流していこう。自分の人生を少しでも完成に近づけるよう精進しよう、と。

 美術館を訪れてから時間はたっても、ゴッホが描くあの鮮やかな色彩が脳裏によみがえる。そして、そのたびに心の中で「生涯挑戦!」と静かに繰り返している。ゴッホの魂の色であろう黄色が好きになった。

福田勝弘 56 東京都豊島区 

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