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ニュース コラム

日本の力 数字で測れぬ進化がある 編集局長・井口文彦

昭和39年10月10日付 産経新聞夕刊1面
昭和39年10月10日付 産経新聞夕刊1面

 外から見ると、日本はどんな国として見えるのだろう。中国特派員を務めた記者に尋ねたことがあります。答えはこうでした。

 「老いた大国、ですね」

 人口が減り続け、成長が止まった日本。誰もがどこかで「日本はピークを過ぎた」と感じている。縮んでゆく未来をどう生きるか、いわゆる「未来本」がこれだけ読まれるのは、将来不安が広がっている証拠なのでしょう。

 少子社会。人口減少。社会保障制度の維持困難。流れは容易に変わりません。国難です。でも、「良い縮み方」があるのではないでしょうか。今年の東京五輪・パラリンピックがその気付きを与えてくれる機会になるのでは、と私たちは考えています。

 首都建設とセットだった前回東京五輪は槌音(つちおと)が響く大会でした。ここで造られたインフラがその後の日本の基盤になりました。まさにレガシー(遺産)です。あれから56年。東京は成熟した国際都市となりました。今さらインフラ再整備が今回のレガシーになるとは考えにくい。

 では、今回のレガシーとは何でしょう。ずばり、「日本人が自信を取り戻すこと」だと思うのです。

 焼け野原から僅(わず)か19年で五輪を開催するに至った敗戦国日本は世界から「奇跡」と称賛され、誇りと自信を得ました。当時の産経新聞紙面からも、そんな高揚感が伝わってきます。

 しかしバブル崩壊以降、30年近く日本の成長は止まります。就職は困難。給料は上がらない。雇用は危うい。製造業は新興国に抜かれ、経済大国の地位も疑わしくなりました。「経済敗戦の時代」「失われた30年」。平成の時代をそう総括する声も聞きます。

 《いま必要なのは、栄光の記憶を持つ世代と持たぬ世代をつなぐ経験、失い続けた世代に自信と誇りを取り戻させる再生の物語だ》

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