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【スポーツ茶論】ロシアには毅然とした対応を 津田俊樹

 あれは、まだ日本オリンピック委員会(JOC)の理事会が報道陣に公開されていたときのことだった。傍聴席から会議の流れを見守っていると、ある理事の発言に身を乗り出した。

 「先日、うちの競技団体の女子選手から『ドーピング検査員の行動が行き過ぎではないか』という訴えがありました。それを聞いて私もそう思いました。みなさんの意見はどうでしょうか」

 事の経緯はこうである。突然、夜10時ごろに選手宅を訪れた検査員から採尿を求められた。寝入りばなを起こされたイライラも重なったのだろう、なかなか尿意を催さず、時間が過ぎていく。両者の間が険悪となり、選手は検査員の言動に耐えられず、警察に出動を要請した。結局、抜き打ちドーピング検査は日付が変わった午前2時近くに終わったという。

 JOC理事からは選手への同情論が相次いだが、検査員は任務を忠実に遂行しただけである。立場の違いによる感情的なもつれが“警察沙汰”になってしまった。トップアスリートは24時間、365日監視されている、といっても過言ではない。それは「宿命」であり、超一流の「証し」でもある。

□  □

 世界反ドーピング機関(WADA)は今月、臨時常任理事会を開き、ロシア側が検査データを改竄(かいざん)したとして、2020年東京五輪・パラリンピックを含む主要大会からロシア選手団を4年間排除する処分を決めた。厳しい基準を満たし、潔白が証明された選手は個人資格で参加が認められる。

 ロシアの薬物汚染の闇は深い。地元開催の14年ソチ五輪で、国家ぐるみでドーピングおよび隠蔽(いんぺい)工作を行い、その手口は巧妙で、スポーツ省の高官らが関与していたことが判明している。16年リオデジャネイロ五輪は陸上など一部選手が排除され、18年平昌五輪は国旗、国歌の使用を禁じられ、個人参加が認められた選手は開会式で五輪旗の下、行進した。

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