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【朝晴れエッセー】誕生日・12月31日

 令和も間もなく2年目に入る。今年も時間の過ぎるのが早すぎる日々だった。来年、私たちは1月の誕生日で、私70歳、主人75歳。嬉しいお祝いもあり幸せな日だが、老いを思う日でもある。この日まで、大過なく過ごせたことに感謝と、この日常が続いてほしいと願う。

 いつの間にこんな年齢になったのだろう。結婚はしたものの、価値観や性格が全く違う二人。しかも、その時代の中で、主人も私も仕事が一番、家庭は二番と、ただただ走ってきた。特に私は「女性が社会で活躍できる体制」と紙面を飾る昨今と違い、職場での自分の地位や立場を確立することに精一杯。主婦と母親の立場はどこかに置いてしまっていた。それでも、子どもたちは自分なりに無事に育ってくれた。

 主人とはお互い、邪魔せず束縛せず干渉せず、どこまでも平行線。ときとしてその距離は近いときも果てしなく遠いときもあった。ただ一つ、主人の誠実さと優しさが一本の糸となり、私を繋いでいてくれたのだと思う。

 二人で見ていたテレビドラマのセリフに、妻「あなた、私が先に往ったら困るでしょう」と微笑む。縁側で爪を切りながら、夫「ああ…、それは困る」。妻「じゃ…123で一緒に往きましょう」。夫「だが人はそうはいかんだろう」と言い、夫と妻が明るく笑い合う。

 そのさりげない会話が心に留まる。ふと、主人をみればやはり何かを感じている様子。いつの間に、私たち夫婦はこんなに大事な存在になったのだろう。

 これから夫婦として、いくつもの谷をはい上がり、乗り越えないといけない試練が待っているかもしれない。それまでは1日でも長く二人で楽しんで思い出をいっぱい作って心の奥に蓄えよう。お互いの今後のエネルギーになるよう願いながら、誕生日を迎えましょうね、貴方(あなた)。

中多千代子 69 奈良県橿原市

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