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【主張】回顧2019 令和日本が歩み出した 政治は行動力を示すときだ

 平成から令和へ-。

 御代替わりが、202年ぶりの譲位によって実現した歴史的な年となった。

 天皇としての務めを全身全霊で果たされてきた上皇陛下に対して多くの国民が感謝し、今上(きんじょう)陛下の即位を寿(ことほ)いだ。

 「即位礼正殿の儀」の際、皇居の空にめでたい虹がかかった。日本は令和の時代を明るいムードで歩み出したといえよう。

 大嘗祭(だいじょうさい)をはじめとするさまざまな儀式はつつがなく営まれた。即位パレードでは、沿道で祝福する人々に、天皇、皇后両陛下が笑顔で手を振られた。海外からも多くの賓客がお祝いに駆けつけた。

 ≪明るい国柄が示された≫

 古くからの文化と伝統を重んじ、天皇を国民が敬愛する日本の明るい国柄や、世界から好まれている現代日本の姿が示された年となったのではないか。

 御代替わりに限って改められる元号の「令和」は、日本最古の歌集「万葉集」から引用された。漢籍(中国古典)からではなく、国書(日本古典)から作られたのは初めてだった。

 天皇、皇后両陛下は26日、台風19号などの被災地見舞いのため、宮城、福島両県を訪ねられた。在位中、国民と苦楽を共にされた上皇、上皇后両陛下を彷彿(ほうふつ)とさせるご訪問だった。

 天皇は「日本国および日本国民統合の象徴」という極めて重い立場にある立憲君主である。新しい天皇陛下や御代替わりの儀式を目の当たりにしたことを通じて、国民が「天皇と日本」について改めて考える契機となったはずだ。

 一方で、皇位の安定継承策を固めなければならない危機にあることも事実だ。天皇の長い継承の歴史のありようが、国民に十分には知られていないことも浮き彫りになった。

 初代の神武天皇から第126代の今上陛下まで、一度の例外もなく貫かれてきた原則は、父方をさかのぼれば天皇を持つ皇族による男系(父系)の継承である。来年4月の立皇嗣の礼の後、政府は継承策の検討を本格化させる。正確な知識が議論の前提とならねばならない。女系継承の安易な容認で皇統の断絶を招かないよう政府や宮内庁は皇位継承の原則を国民に説明しなければならない。

 危機は、それにとどまらない。激動の国際社会の中で日本丸の針路が問われている。

 昨年の本紙主張「回顧2018」は、「米中が対決局面に入った」と振り返った。新冷戦ともいうべき米中両国の対立は、日本と世界にとって戦略環境の激変であり、危機である。

 新冷戦の行方は日本の平和と独立、繁栄を左右する。傍観者でいられないはずの日本だが、その針路は今年、定まらなかった。

 ≪定まらぬ日本丸の針路≫

 日本や米国など先進7カ国(G7)が主導してきたのが、自由と民主主義、法の支配、人権を尊重するこれまでの国際秩序だ。

 共産党独裁政権が統治し、香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧が問われ、南シナ海などで国際法を無視する中国が覇権国になることは望ましくない。

 日本が選択すべきは、米国やその同盟国と協力して、中国の脅威を抑止する道のはずだ。

 だが、今年の安倍晋三政権を振り返ると、米中の狭間(はざま)で右往左往している印象が拭えない。

 トランプ米政権と強固な同盟関係を保った点は評価できる。日米貿易協定は来年1月1日発効の運びとなった。だが、対中関係が「完全に正常な軌道」にあると唱え、習近平中国国家主席の来年の国賓招致を目指しているのは不可解極まる。対中関係が良好と考える国民はほとんどいまい。香港やウイグル弾圧の最高責任者である習氏を国賓にしていいのか。

 今年の漢字を問われた河野太郎防衛相は「尖」を挙げた。中国は尖閣諸島を狙っている。南西防衛の強化は重要課題である。

 北朝鮮の核・ミサイルの脅威も去らず、拉致被害者は帰ってこない。安倍政権は、これらの危機にもっと行動力を発揮すべきだ。

 国会や与野党も、日本と国民を守るという最大の責務を果たしたとはいえない。香港やウイグルの人権問題を憂えて、国会決議を出すことすらなかった。取り組むべきことをせずに、お粗末な「桜を見る会」の問題で攻防を繰り広げても得るところはない。

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